2006 Fiscal Year Annual Research Report
実験的歯周炎が全身状態に及ぼす影響とそのメカニズムの解明
Project/Area Number |
17591983
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
板垣 由美 東北大学, 大学院歯学研究科, 助手 (10223067)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
島内 英俊 東北大学, 大学院歯学研究科, 教授 (70187425)
荘司 佳奈子 東北大学, 大学院歯学研究科, 助手 (90302158)
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Keywords | 実験的歯周炎 / P.gingivalis / 中性脂肪 / 血糖値 / サイトカイン |
Research Abstract |
本研究では歯周病巣局所の炎症病変あるいは歯周病原性細菌の1つであるP.gingivalis(以下Pgと略す)の感染が全身状態に及ぼす影響を、動物実験で検討している。実験動物として8週齢のWistar系雌ラットを用い、Pg感染群(下顎第一臼歯にゴム輪を装着して実験的歯周炎を作成後、歯周ポケット内にPgを接種)、Pg非感染群(実験的歯周炎作成のみ)、および未処置群の3群に分け、4週後に血中脂質濃度、血糖値および炎症性因子の値を測定した。 17年度は飼料としてDiet 2050(sucrose 28%含有)を用いた。Pg感染群は他の2群よりも中性脂肪および血糖値がやや高い値を示したが、有意差は認められなかった。またPg感染群の肝組織中のTNF-α m-RNAは、Pg非感染群よりも低かったが有意差は認められなかった。 18年度は歯周病を増悪させることが報告されている高脂肪食(High Fat Diet 32)に飼料を変えて検討した。得られた結果は以下のとおりである。 1.血液中の中性脂肪、血糖値、TNF-α、IL-6、CRP濃度のいずれにも有意差が認められなかった。 2.実験期間を9週間に延長したところPg感染群は非感染群よりも中性脂肪、血糖値およびTNF-α濃度が低い値を示したが、有意差は認められなかった。 すなわち雌ラットの歯周組織へのPg感染によって血中脂質濃度、血糖値および炎症性因子への影響は認められず、また飼料の影響も認められなかった。 今後は接種する細菌種や性差などを検討する予定である。
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