2006 Fiscal Year Annual Research Report
電気的・色彩学的手法を応用した齲蝕病巣の活動性に対する総合診断法の開発
Project/Area Number |
17591990
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
岩見 行晃 大阪大学, 大学院歯学研究科, 助手 (90303982)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
今里 聡 大阪大学, 大学院歯学研究科, 助教授 (80243244)
林 美加子 大阪大学, 歯学部附属病院, 講師 (40271027)
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Keywords | 歯学 / 電気 / 色彩 / 齲蝕 / 診断 |
Research Abstract |
本研究は,Minimal Intervention Dentistryに基づいた齲蝕病巣の活動性に対する客観的診断法の確立をめざし,我々が開発した齲蝕歯質に対するCIE1976L*a*b*表色系による色彩評価法と電気的評価法,レーザー診断装置DIAGNOdentによる診断を組み合せた客観的総合診断法を構築するものである.研究期間の最終年度となる本年度は,in vitroでの各種色補正用標準色見本の精度確認を行い,齲蝕病巣評価に最適な色補正用標準色見本を見いだした.また,齲蝕歯質に対するDIAGNOdent値とL*値との間には,強い負の相関関係があることを確認した.ついで,それらの成果をふまえ,各診断法による齲蝕病巣各断面の評価結果,病巣中の活動性を示すヌープ硬さの分布とPCR法による細菌検出結果との関係を調べた.その結果,1)齲蝕表層から病巣深部にかけてのヌープ硬さの増加が緩やかな活動性齲蝕では,齲蝕病巣表層のa*値は,ヌープ硬さの増加が急な停止性齲蝕と比較して大きくなったことから,a*値により歯質切削前の齲蝕病巣の活動性を臨床評価できる.2)電気的評価結果は歯質切削前の齲蝕病巣の広がりを評価するのに適している.3)停止性および活動性齲蝕とも齲蝕深部に向かうほど,L*値は大きくなり,DIAGNOdent値は小さくなったことから,それらは齲蝕の程度を判定する指標になりうる.4)細菌検出率0%の歯質のL*値は停止性および活動性齲蝕とも60以上であったことがそれぞれ示された.さらに,従来法による齲蝕除去後の歯質について,色彩評価やレーザー評価結果のばらつきが大きいことも判明した.以上の結果から,色彩評価法と電気的評価法,レーザー診断法を組み合せることで,歯質切削前の齲蝕病巣の活動性,歯髄方向への齲蝕の広がり,齲蝕削除時の齲蝕の程度,細菌検出率を推定できる可能性が示唆された.
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Research Products
(2 results)