2005 Fiscal Year Annual Research Report
湿潤環境下におけるセラミックス-レジンセメント間の接着耐久性
Project/Area Number |
17591994
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
畦森 雅子 九州大学, 大学院・歯学研究院, 助手 (90136490)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松家 茂樹 九州大学, 大学院・歯学研究院, 助教授 (00108755)
松家 洋子 九州大学, 大学病院, 講師 (50128097)
赤峰 昭文 九州大学, 大学院・歯学研究院, 教授 (00117053)
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Keywords | 接着強度 / セラミックス / レジンセメント / シロキサン結合 / 耐水性 |
Research Abstract |
セラミックスとレジンセメント間のシロキサン結合の耐水性を明らかにするため、本年度は湿潤環境下におけるセラミックス-レジンセメント間の接着強度測定を行った。 材料と方法:Leucite reinforced ceramic(スーパーポーセレン ノリタケ)を用い、7x7x10mmに作製したセラミックス試料被着面を研磨し鏡面仕上げした。鏡面仕上げはセラミックス接着に対する機械的勘合力の影響を排除し、シロキサン結合のみの寄与による接着強度を観察できるようにするために行った。試料表面をシランカップリング処理し(ポーセレンアクティベータ クラレ)4-META/MMA-TBBレジンセメントにて2個のセラミックス試料を接着した。これらの試料は接着後24時間にマイクロテンサイル試験用試料に調整し、37℃空気中および蒸留水中に1,2,4週間保管した後に引っ張り接着強度を測定した。保管前の接着強度も測定した。 結果と考察:各保管期間・保管条件における接着強度(MPa)の平均値は以下に示すとおりであった。括弧内は試料数を示している:保管前(8)28.4±5.1、保管期間1週間の場合、空気中(8)=26.8±4.5,水中(8)=23.6±4.0、保管期間2週間の場合、空気中(10)=29.3±4.3,水中(10)=24.8±4.8、保管期間4週間の場合、空気中(14)=26.3±4.2,水中(14)=22.7±5.8。すなわち、保管期間が同じ場合は空気中保管群に比べ水中保管群の方が常に接着強度が小さかった。さらに、水中保管群では保管期間が長くなるに従い接着強度が小さくなる傾向があった。しかし接着強度を従属変数、保管期間・保管条件を独立変数として重回帰分析を行ったところ、保管条件のみが有意変数(p<0.01)となった。以上の結果より、シロキサン結合は湿潤環境に暴露された初期においてシロキサン結合の一部が破壊されるものの、その後の耐水性は高いことが示唆された。
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