2006 Fiscal Year Annual Research Report
短期硬組織再生誘導を目指した三次元培養自己細胞移植システムの創製および臨床応用
Project/Area Number |
17591996
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
池田 毅 長崎大学, 医学部・歯学部附属病院, 助手 (90244079)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柳口 嘉治郎 長崎大学, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (50264255)
大原 直子 長崎大学, 大学院医歯薬学総合研究科, 助手 (80301365)
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Keywords | キトサン / 硬組織再生 / 間葉系幹細胞 / cDNAマイクロアレイ / ALP / osteocalcin / BMP-2 / リアルタイムPCR |
Research Abstract |
H17年度には、自己細胞の移植による迅速な硬組織再生療法の臨床応用を目標として、まず骨芽細胞機能亢進に関与する遺伝子群の確認・評価を行った。すなわち、キトサン添加による培養骨芽細胞のALP活性上昇時に応答しているmRNA解析のため、cDNAマイクロアレイを利用した遺伝子クローニングの結果、細胞増殖・分化を誘導するといわれているMAPKカスケードやJak/Stat経路に関与する遺伝子、転写因子の発現増強が確認できた。 次いで6週齢雄性Wistar系ラット下顎骨または大腿骨から骨髄液を穿刺・採取し、ラット血清を添加した培地で継代培養操作を行い、この際、間葉系幹細胞の骨芽細胞への分化を誘導する目的で硬組織誘導培地(アスコルビン酸、β-グリセロリン酸およびデキサメサゾン含有DMEM)へ生理活性物質としてキトサン溶液を添加した。その結果、キトサン濃度0.002mMを添加することによって100mmの培養皿1×10^6cells播種すれば約14日後にコンフルエントとなることが確認できた。 H18年度は間葉系幹細胞から骨芽細胞への分化誘導に関する検討のため、硬組織関連のターゲット遺伝子に特異的なプライマーを用いてリアルタイムPCRを行ったところ、osteocalcinおよびBMP-2において有為に遺伝子発現の増強が定量的に確認できた。培養細胞の形態変化(大型化)を確認し、ALP免疫染色、von kossa染色およびアリザリンレッド染色にて石灰化様分泌物産生も確認できた。 次いでキトサンScaffold(坦体)の作成の際に、後の生体内坦体移植の際に周囲脈管系組織由来のCa^<2+>の取り込みを促進させるためカルボキシメチル化キトサン(CM-C)の誘導体を用いた。また坦体内へ効率的に細胞や血管が侵入しやすいことが必要なことから多孔性材料、特に多孔体の気孔どうしがつながった連通構造を持つことが重要であると考え、ハニカム状トンネル型気孔を有する形状を作成した。現在、骨欠損部ヘキトサンscaffold上で3次元培養した骨芽細胞を移植し、骨様組織新生促進効果について細胞の組織内局在性、分化成熟度および硬組織基質形成度について、免疫組織化学的に検討中である。
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