2005 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト歯髄細胞におけるサイトカインによるプラスミノーゲンアクチベータの活性化調節
Project/Area Number |
17592001
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
橋爪 英城 日本大学, 松戸歯学部, 講師 (10256894)
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Keywords | Plasminogen activator / IL-1β / TNF-α / チロシンのリン酸化 |
Research Abstract |
申請者はこれまでに、炎症局所における細胞外マトリクスの破壊に関与するTissue-type plasminogen activator (tPA)について、炎症性サイトカインであるIL-1βが培養ヒト歯髄細胞のtPAの活性を上昇させること、IL-1βによるtPAの活性化にはチロシンのリン酸化が必要で、さらにNF-κBによる合成を介した活性調節が存在することを明らかにした。一方、TNF-αが歯髄細胞のtPAの活性を促進することが報告されているが、その調節機構に関しては明らかではない。本年度は、TNF-αによるtPAの活性化に関わる細胞内シグナルについて検討し以下の結果が得られた。 1.protein tyrosin kinase inhibitorのgenisteinあるいはherbimycin Aの存在下ではTNF-αによるtPA活性は抑制され、protein tyrosin phosphatase inhibitorであるorthovanadate存在下ではTNF-αによるtPAの活性化は促進した。 2.NFκB inhibitorであるpyrrolidinedithocarbamateはTNF-αによるtPAの活性化を抑制した。 3.PKC activatorであるphorbol 12-myristate 13-acetateは、培養上清およびcell lysateにおいてtPA活性を促進した。 4.PMAの存在下では、培養上清およびcell lysateにおけるIL-1βとTNF-αによるtPAの活性化を相乗的に促進した。 培養ヒト歯髄細胞におけるTNF-αによるtPAの活性化にはチロシンのリン酸化が必要で、NF-κBによる合成を介した活性調節が存在することが示唆された。また、PKC activatorであるPMAは、tPAの活性化を促進し、IL-1βまたはTNF-αと相乗的に作用することが示唆された。
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