2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17592003
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
小木曽 文内 日本大学, 歯学部, 助教授 (70147643)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
武市 収 日本大学, 歯学部, 講師 (10277460)
林 誠 日本大学, 歯学部, 助手 (00301557)
井上 孝 東京歯科大学, 歯学部, 教授 (20125008)
松坂 賢一 東京歯科大学, 歯学部, 助教授 (70266568)
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Keywords | MTA / 歯髄細胞 / 生物学的特性 / 間接的作用 |
Research Abstract |
平成18年度は,平成17年度に実施したMTAが培養ヒト歯髄細胞の遊走と増殖に対する間接的作用に関する研究成果を踏まえ,以下の2点について検討を加えた。 1MTAの培養ヒト歯髄細胞の硬組織形成細胞への分化に対する影響 2培養ヒト歯髄細胞による硬組織形成に対するMTVの間接的影響 その結果,1については,現在もRT-PCR法を応用して培養ヒト歯髄細胞の硬組織形成に関わるタンパク・酵素の遺伝子発現について実験を継続中である。これまでの予備実験成績から,ALPase活性は,培養初期(14日まで)でMTAおよびcontrol群ではほぼ同様の活性曲線を示したが,対照材料であるDycalは有意に低い値を示した。また,ELISA法を用いたType I Collagen産生について96時間まで検討したところ,ALPase活性と類似した傾向を示した。しかしながら,MTAとcontrol間での明確な差は認められなかったことから,作用期間やCaイオン濃度などについて検討するとともに,骨関連タンパクであるOPN,OCN,DSPPなどについても検討する必要があるものと考えられた。 2の硬組織形成への影響については,cell culture inser法を用いて,培養プレート上での硬組織塊形成(nodule形成)状況をアリザリン・レッド染色法により経時的に観察したところ,control群と比較してnodule数はMTA群の方が有意に多いこと,また経時的にnodule数が増加することを認めた。しかしながら,noduleの大きさ,石灰化の程度については今回の実験では検討しておらず,石灰化物の成熟度については今後の検討課題と考えられた。 上記の2実験の成績と前年度の研究成果を総合して考察するに,MTAから持続的に溶出されるCaイオンが歯髄細胞の遊走と増殖に何らかの間接的影響を及ぼしていることは明らかとなったが,その後の硬組織形成細胞への分化への影響については,本研究における明確な結論は未だ導き出されていない。今後,硬組織形成関連タンパクおよび酵素群の遺伝子発現やタンパク量の測定などの実験を継続して,その詳細を明らかにしていく所存である.
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Research Products
(1 results)