2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17592003
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
小木曾 文内 Nihon University, 歯学部, 教授 (70147643)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
武市 収 日本大学, 歯学部, 講師 (10277460)
林 誠 日本大学, 歯学部, 助教 (00301557)
井上 孝 東京歯科大学, 歯学部, 教授 (20125008)
松坂 賢一 東京歯科大学, 歯学部, 准教授 (70266568)
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Keywords | MTA / 歯髄細胞 / 生物学的特性 / 間接的作用 / 石灰化物形成 / 骨性タンパク / 遺伝子発現 |
Research Abstract |
平成19年度は,これまでの研究成績から得られたMTAから溶出するCaイオンの培養ヒト歯髄細胞に対する生物学的作用についてさらに検討する目的から,Caイオン濃度が培養細胞の硬組織形成細胞への分化ならびに硬組織形成(石灰化物形成)促進作用に関する研究を実施した。 1.培養液中Caイオン濃度が培養ヒト歯髄細胞の石灰化物形成に与える影響について MTAから継続的に溶出するCaイオン濃度が約0.3mMであることから,MTA浸漬培養液および同等量の塩化カルシウム含有培養液中でヒト歯髄細胞を28日間培養し,硬組織(石灰化物)形成の様相を観察した。石灰化物の確認にはアリザリンレッドを用いた。その結果,コントロール群と比較して,2種の実験群では18日後にアリザリンレッド陽性の石灰化物の形成を認めた。 2.培養ヒト歯髄細胞の骨性タンパク遺伝子発現に関する検討 1.の実験結果を踏まえ,Cell culture insert法下で培養ヒト歯髄細胞の分化,とくに骨性タンパクの遺伝子発現について,一般的な分化マーカーであるアルカリフォスファターゼならびにデンチンシアロタンパクの遺伝子発現を経日的にRT-PCRを用いて観察した。その結果,過去の報告と同様にアルカリフォスファターゼではコントロールとほぼ同程度の発現傾向を示し,14日後にピークをむかえた。一方,デンチンシアロタンパクの遺伝子発現は培養21日後にピークをむかえ,以後下降する傾向が認められた。 これらの研究は継続実施中であり,研究成績は関連学術雑誌へ投稿予定である。
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