2006 Fiscal Year Annual Research Report
長期耐久性に優れたレジン-象牙質接着界面の構築に関する研究
Project/Area Number |
17592004
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
宮崎 真至 日本大学, 歯学部, 教授 (70239391)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安藤 進 日本大学, 歯学部, 講師 (40120365)
陸田 明智 日本大学, 歯学部, 助手 (40287660)
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Keywords | 歯質接着性 / 光重合型レジン / 樹脂含浸象牙質 / 分光分析 / 超音波特性 / 石灰化 / 脱灰 |
Research Abstract |
齲蝕をはじめとする硬組織疾患に罹患した歯の実質欠損部は,病巣部を除去してこれを人工物(修復物)で置き換える修復処置を行うことによって,罹患歯の機能および審美性を回復している。したがって,修復物には歯質と緊密に接着することが望まれているが,この接着機構のひとつとしてハイブリッド層モデルが提唱されている。そこで,歯質接着性レジンシステムを用いて,歯および修復材の物性を非破壊的に評価することによって,歯質接着性レジンシステムの歯質接着機構の詳細を明らかにすることを目的とした。 象牙質の構成成分としては,その硬さを維持するハイドロキシアパタイト結晶およびこれを支持する有機質成分であるコラーゲンを主としたタンパク質とがあげられる。これらの無機質成分が象牙質の物性にどのように機能しているかを明らかにするとともに,修復材との接着への関与について知見が得られ,学術論文として公表を行っている。また,歯質接着システムに関する検討については継続してこれを行っており,臨床使用条件の確立に資する具体的な示唆が得られている。さらに,これまで得られた成果を考察することによって,本研究プロジェクトによって口腔内における修復材の劣化状況を予測するシステムの構築のための基礎的事実を検討するという方向性も示されてきた。また,齲蝕などの硬組織疾患によって生じた実質欠損部に対して,これを再生あるいは修復する目的で充填される歯質接着性材料の評価として使用している超音波測定装置ならびに分子分光学的手法によって,口腔内における修復材の劣化状況をも予測できる可能性が次第に明らかになってきた。今後,修復システムの接着機構の解明とともに,修復材の口腔内寿命予測を視野に入れた検討を継続して行う予定である。
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