2006 Fiscal Year Annual Research Report
歯根未完成永久歯の歯髄および歯根膜の損傷と再生に関する実験的研究
Project/Area Number |
17592005
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Research Institution | The Nippon Dental University |
Principal Investigator |
川崎 孝一 日本歯科大学, 新潟生命歯学部, 教授 (90013961)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北島 佳代子 日本歯科大学, 新潟生命歯学部, 講師 (00177841)
田中 幹久 日本歯科大学, 新潟生命歯学部, 助手 (00409236)
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Keywords | 根未完成永久歯 / 幼若歯髄 / ヘルトウィッヒ上皮鞘 / 歯根形成能 / 根尖閉鎖機転 / アペキシフィケーション / アペキソゲネーシス / 水酸化カルシウム |
Research Abstract |
本研究は,歯の萌出間もない歯根の形成過程にある幼若永久歯の歯髄や歯根膜に器械的損傷・炎症や人工的感染を起こし,根尖の歯髄や歯周組織,ヘルトウィッヒ上皮鞘などの変化とそれらの再生機構を実験病理組織学的に解明することが目的である. 実験には3歳前後のベトナム産カニクイザル(young adult)5頭(雄4頭,雌1頭)の歯根形成が1/2〜3/4程度の上下顎前歯と大臼歯の60歯を用いて感染根管群と非感染根管群に区別して実験を行った.被験歯にはラバーダム防湿下で可及的に制腐的環境下で施術を行ったが,歯根の形成段階は歯科用X線写真撮影により確認した.いずれも歯髄の切断は根尖2〜3mm手前とした.感染根管群では歯髄と歯根膜において根管を開放することによって唾液感染を起こし,その損傷や炎症性変化とヘルトウィッヒ上皮鞘の動態を調べた. なお,根管には水酸化カルシウム系材品として,カルシペックス【○!R】(日本歯科薬品)とFR-Caの糊剤(東京歯材社)を応用し,歯冠窩洞には接着性レジン修復処置あるいはグラスアイオノマーセメント仮封を行った.歯根未完成永久歯におけるアペキシフィケーション(感染根管群)とアペキソゲネーシス(非感染根管群)に関係する根尖歯髄・歯根膜歯周組織の損傷と再生,その根尖閉鎖機転を明らかにすべく,現在,光顕組織試料を中心に標本を作製中である.順次,本成績の分析を行い,総括をすすめる予定である.
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