2005 Fiscal Year Annual Research Report
低濃度H_2O_2を用いた新しい漂白剤の漂白効果とプラーク付着抑制能に関する研究
Project/Area Number |
17592006
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Research Institution | Kanagawa Dental College |
Principal Investigator |
鈴木 二郎 神奈川歯科大学, 歯学部, 助手 (00247313)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平林 正道 神奈川歯科大学, 歯学部, 助教授 (20104482)
岡田 周策 神奈川歯科大学, 歯学部, 講師 (00177049)
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Keywords | 歯牙漂白 / 生活歯 / プラーク抑制 |
Research Abstract |
平成17年度は低濃度H_2O_2を用いた新しい漂白材の性能解析を行うため,ウシ抜去歯変色歯モデルによる漂白処置を行い,分光式色差計にて側色表色L, a, b表色系を用いて光照射前後の色差値ΔEを求め,添加物による漂白効果改善,pH中性化,薬液の安定および最適化,処置回数・作用時間・治療間隔による最適な処理方法の確立,照射器の波長域および使い勝手の改善を行った.その後,通法による漂白処置をウシ抜去歯に行い,走査型電子顕微鏡にてエナメル質微細構造を確認したところ,歯質に対してほとんど影響を示さないことを確認した.また生活歯漂白の正確な作用機序は知られていないのが現状であり,特にエナメル質を透過して象牙質に浸透する機序を検討するため,ルミノール発光法にて検討を行ったところ,計測した試料のうち,歯髄側の象牙細管を開口させなかった試料のH_2O_2浸透を確認できなかった.これは残存象牙質の厚さと,象牙質と歯髄の境界に漂白材の浸透を妨げる何らかの因子が存在するためと考えられ,高濃度H_2O_2を用いる従来の漂白方法において歯髄刺激がさほど発現しないのは,上記の理由によるものと示唆された. 臨床において漂白効果に個体差があるのは,その象牙細管の狭窄程度,エナメル質の亀裂,エナメル葉,エナメル叢の状態の違いによることが考えられ,また漂白効果を持続させるための術後管理は重要な課題であることから,平成18年度は,実際の象牙質への浸透様相の観察およびプラーク付着抑制効果を測定するため.ウシ抜去歯を用いて比較検討を行う予定である.
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Research Products
(4 results)