2006 Fiscal Year Annual Research Report
ブラキシズムに起因する歯痛の疫学的調査と診断ガイドラインの作成
Project/Area Number |
17592011
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Research Institution | Fukuoka Dental College |
Principal Investigator |
坂上 竜資 福岡歯科大学, 歯学部, 教授 (50215612)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永井 淳 福岡歯科大学, 歯学部, 助教授 (70252989)
鬼塚 得也 福岡歯科大学, 歯学部, 講師 (90299587)
力丸 哲也 福岡歯科大学, 歯学部, 助手 (10299589)
天野 めぐみ 福岡歯科大学, 歯学部, 助手 (70423978)
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Keywords | ブラキシズム / 歯痛 / 疫学的調査 / 診断 / ガイドライン |
Research Abstract |
本研究は、ブラキシズムに起因する歯痛がどれくらい存在するかを知るとともに、ブラキシズム診断の必要性および他の歯痛との鑑別診断の重要性を証明する目的でおこなった。 まず、プラキシズムに起因する歯痛に関する共通の認識が歯科学生や歯科医師にあるかどうかを調べた。「歯ぎしりやくいしばり」を主訴とする患者がどれくらいいるかを問うとともに、「歯ぎしりやくいしばり」に起因する歯の痛みを有する患者がどれくらいいるかをアンケート調査した。その結果、ともに5-10%と回答する歯科医師が多かったが、「歯ぎしりやくいしばり」に起因する歯の痛みが20-30%に認められるとする歯科医師も数多く認められた。 次に、ブラキシズムの診断をより簡便に行うことを目的として、筋疲労に着目し放射線科と共同実験を行った。MRIのT2出力を解析し、ブラキシズムにともなって特異な出力パターンが検出可能かどうかを調べた。その結果、クレンチングにより咀嚼筋のT2値は上昇し、疲労回復とともにT2値の回復を認めた。また、大臼歯咬みおよび前歯咬みにおいて、咀嚼筋の種類によりT2値の上昇が異なる傾向が認められた(平成18年度春季歯周病学会にて発表)。 研究費補助金を利用して、研究遂行に必要な機材として、半調節性咬合器、筋電センサにプリアンプを内蔵するマイクロキューブ社製コードレス筋電計などを購入した。現在、患者へのアンケート調査と臨床診査に加えて、筋電計を用いた臨床データの採取に取り組んでいる。 さらに、歯痛発現のメカニズム解明のため、健康なコホートを募集して、くいしばりによる歯痛の発現を調査し、経過を詳細に観察した。実験を総合的に進める目的で、K7エバリュエーションシステムを用いて、くいしばりが顎咬合系に影響を与えるかどうかを詳細に検討している。くいしばりによって安静位空隙の減少をきたすかどうかなどについても検索中である。
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