2005 Fiscal Year Annual Research Report
チェアサイドで補綴時の発語機能評価が可能な音声認識装置の研究
Project/Area Number |
17592016
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
秀島 雅之 東京医科歯科大学, 歯学部附属病院, 講師 (50218723)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
正井 康之 株式会社 東芝, 研究開発センター, 主任研究員 (30374078)
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Keywords | チェアサイド / 発語機能評価 / 音声認識プログラム / 複合音響特徴平面 / 音声セグメントラベル / 補綴処置 / 音節 / S状隆起 |
Research Abstract |
発音はコミュニケーションを図るために必要不可欠な口腔機能である.その客観的な評価法については多くの報告があるが,場所,時間,人員等の制約があり,診療時に評価を行うことが困難であった.そのため補綴治療後の発語機能の判定は,未だに患者の話しやすさを問診したり,術者の聴覚による主観的判断に頼ることが多い.そこで研究分担者の協力を得て,簡便な録音機器とノートパソコンにて発語時の音声パターンを符号に変換し,ラベル表示する音声認識システムを導入してチェアサイドで補綴処置の効果を判定可能な評価システムを開発した. 本システムは簡易型マイクロフォンとノートパソコンから成り,発語音声を音声認識プログラム(東芝メディカル社製)にて,複合音響特徴平面と呼ばれる時間・周波数方向の局所的変化を強調する手法を導入し,幾何学的なパターン認識法により音声セグメントラベルと呼ばれる横文字2文字の符号に変換して分析,評価する. 被験語は義歯装着時に発音の影響を受けやすい摩擦音で,後続母音が舌位の高い[イ]となる[シ]音を含む"石松[iShimatsu],石川[iShikawa]"等を選択し,[シ]の子音部を分析した. 上顎無歯顎5症例の全部床義歯を複製して,口蓋前方部のS状隆起の棚状部の形態を実験的に変え,本システムを用いて[シ]の発音を評価したところ,2〜4mm程度の幅の棚を付与すると[シ]の適正ラベルが多く出現し,適正な発音が行われることが確認された. 近年の音声認識プログラムは,不明瞭な発音でも話者の意図した文字に変換する手法が主流となり,発音の正確さの判定は目的としない傾向にある.しかし本システムは日本語100音節を200種以上のラベルに分類するため,耳で聞いて微妙な判定も明確に識別可能となり,チェアサイドの補綴処置効果の判定に有用なことが示唆された.
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Research Products
(4 results)