2006 Fiscal Year Annual Research Report
摂食嚥下障害と音声言語障害に対するパラタルリフトによる同時治療法の開発
Project/Area Number |
17592021
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
舘村 卓 大阪大学, 大学院歯学研究科, 助教授 (60188266)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野原 幹司 大阪大学, 歯学部附属病院, 助手 (20346167)
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Keywords | 筋電図 / 口蓋舌筋 / 口蓋帆挙筋 / 至適嚥下量 / 口腔相 / 咽頭相 / 粘性 |
Research Abstract |
昨年度に,口蓋舌筋の活動が,嚥下量と粘性によって調整される可能性を示した. 今年度は,昨年に明らかにした口蓋帆挙筋と口蓋舌筋活動の調節の詳細を検討するために,摂食する食品物性と嚥下量によってどのように変化するかについて検討した.至適嚥下量の変化と粘性との間には逆の相関があることが示されたが,嚥下量の変化は軟口蓋の挙上から舌との再閉鎖までの時間を変えて調節しているのか,口蓋帆挙筋の筋活動量を上昇させて軟口蓋の挙上量を大きくしているのかはわからなかった.本研究では,まず,軟口蓋挙上から舌と軟口蓋による再閉鎖までの時間が二つの変数の影響を受けるのか,筋活動が影響を受けるのかを検討した. 1)嚥下量と粘度を変化させた場合の移行段階の時間 嚥下量ならびに粘度を変化させ,口蓋帆挙筋活動のpeakと口蓋舌筋活動のpeakの間の時間を移行段階の時間として定義して計測したところ,平均値については被験者ごとに多様であったが,各被験者での標準偏差は一様であり,移行段階の時間は被験者ごとに一定の時間になるように調節されていることが示された. 2)嚥下量と粘度を変化させた場合の口蓋帆挙筋 嚥下量と粘度を変化させた際粘性も嚥下量も単独では口蓋帆挙筋活動の調節を,統計学的にうまく説明できなかったが,二つの変数を説明変数とする重相関係数とずる重相関式では,高い決定係数(0.6以上)によって説明できた. すなわち,嚥下時において,軟口蓋の挙上量が,嚥下量と粘性に依存して調節されることによって,良好な嚥下動作が行なわれていることが示された.
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Research Products
(9 results)