2005 Fiscal Year Annual Research Report
重度変形性顎関節症に対する抗サイトカイン療法の実用化
Project/Area Number |
17592024
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
上原 淳二 岡山大学, 歯学部附属病院, 助手 (10379836)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
窪木 拓男 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (00225195)
藤澤 拓生 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助手 (20325096)
水口 一 岡山大学, 大学院医歯薬学総合研究科, 助手 (30325097)
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Keywords | 変形性顎関節症 / 可溶型腫瘍壊死因子受容体 / 抗サイトカイン療法 / 完全ヒト型可溶性TNFα / LTαレセプター製剤 / エンブレル【○!R】 |
Research Abstract |
【目的と経過】膝関箇軟骨細胞におけるII型腫瘍壊死因子可溶型受容体(sTNFR-II)の産生は,炎症環境に敏感に反応すること,また,変形姓顎関節症患者の滑液中のsTNFR-II濃度が高いほど疼痛や開口障害が緩やかであることを我々は報告してきた.すなわち,症状が緩解しない重度の顎関節症患者の場合,何らかの理由でsTNFR-IIが十分に供給されない可能牲があると考えた.そこで本年度は,近年リウマチの抗サイトカイン療法に使用され,日本においても2005年にリウマチ治療薬として承認された完全ヒト型可溶性TNFα/LTαレセプター製剤のエンブレル【○!R】を炎症環境にある関節軟骨細胞に作用させ,関節軟骨破壊に関与するとされるマトリックスメタロプロテアーゼ(MMPs)の発現変化について検討した. 【方法】新生児ラット膝関節より採取した関節軟骨細胞を初代培養し,TNFα,IL1-βによる刺激後にエンブレル【○!R】を培養液に加え,mmp-2,3,8,13の発現変化を経時的にreal time PCR法にて定量した. 【結果】各mmp遺伝子発現はエンブレル【○!R】添加により抑制された.本年度はin vitroにおける結果をまとめた上で,さらに変形性関節症発症動物モデルを用い,関節腔にエンブレル【○!R】を直接注入し,in vivoにおける検討を加える.エンブレル【○!R】は現在,リウマチ患者に対して皮下注射のみが認められているが,今後in vivoにおける変形性関節症抑止効果が認められれば,関節腔内注入療法を目指したトランスレーショナルリサーチの実現を目指す.
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Research Products
(3 results)