2008 Fiscal Year Annual Research Report
インプラント・骨ナノインターフェイスの分子レベルにおける解明
Project/Area Number |
17592026
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
長岡 紀幸 Okayama University, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (70304326)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 敏男 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (30107776)
鈴木 一臣 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (30050058)
吉田 靖弘 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 准教授 (90281162)
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Keywords | インプラント / 断面TEM観察 / 界面 / 高分解能元素分析 / イオン研磨 |
Research Abstract |
インプラント/骨界面を断面TEM観察できる試料作製法の開発を試みた。インプラント/骨界面の断面TEM観察は、インプラント開発において重要であるが、界面で剥離すること、ダイヤモンドナイフで薄切できないことから、難題とされてきた。従来は、界面近傍で剥離させた後、界面近傍を断面TEM観察できるように骨組織を樹脂に再包埋し、ダイヤモンドナイフで薄切する手法が用いられてきた。しかし、剥離時にインプラント表面に残留する部分があることが指摘され、この残留部分を観察できないことから、真の界面観察が求められてきた。 本研究による手法は、アルゴンイオン研磨による薄膜化法である。アルゴンイオン研磨には日本電子製のイオンスライサを用いた。この装置は、アルゴンイオンによる試料損傷が少なく、最適な手法と考えられる。この手法により、インプラント/骨界面を断面TEM観察可能な試料を作製する基本技術を開発した。 動物実験により、インプラントに見立てたチタン製のテストピースをマウス大腿骨に埋入し、骨再生させた。還流固定後、テストピース埋入部の大腿骨を摘出し、樹脂包埋した。精密機械切断、機械研磨により、前加工し、アルゴンイオン研磨した。インプラント/骨界面近傍を薄膜化することができ、界面を断面TEM観察できた。 本研究により開発したインプラント/骨界面の断面TEM観察試料作製法は、従来不可能であった界面観察を可能にするものである。この手法は、インプラント/骨界面を形態観察、分析できる試料作製法として最適と考えられる。 アルゴンイオンによる研磨法は、オッセオインテグレーション早期獲得のために施されるインプラントの表面処理の解析にも有効であり、ナノスケールの元素分析をはじめとする材料解析を進めることができた。この成果は、2009年5月に開催される日本顕微鏡学会第65回学術講演会で発表予定である。
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Research Products
(2 results)