2005 Fiscal Year Annual Research Report
固定性補綴装置における長期臨床成績の多変量解析及び生存分析
Project/Area Number |
17592030
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
田上 直美 長崎大学, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (70231660)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
熱田 充 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (60002135)
松村 英雄 日本大学, 歯学部, 教授 (40199857)
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Keywords | 接着ブリッジ / 生存分析 / 金銀パラジウム合金 / 金属接着性プライマー / レジンセメント |
Research Abstract |
本研究課題に対する初年度の研究成果は以下の通りである. 初年度においては,固定性補綴装置として接着ブリッジを選択することとし,長崎大学医学部・歯学部附属病院(以下,長崎大学病院と略)において装着された金銀パラジウム合金製接着ブリッジについて臨床成績調査を行った. 本調査を行う接着ブリッジは,金属被着面を貴金属接着性プライマー(Vプライマーもしくはメタルタイト)で処理後,レジンセメント(スーパーボンドC&B)にて装着した接着勘合リテーナー使用の金銀パラジウム合金製接着ブリッジと限定した. まず,研究に先立ち,長崎大学歯学系倫理委員会において本臨床調査の承認を受けた.その後,長崎大学病院において金銀パラジウム合金製接着ブリッジを装着した99名のうち,リコールに応じ,且つ本研究の目的と合致した77名,81症例を対象として,臨床成績調査を行った. 生存の状態は(1)完全生存(脱離しなかったもの)及び(2)機能的生存(一旦脱離したが再装着できたもの)に分類した.全てのデータは口腔内診査により取得するものとし,診査不能データは最終取得データをもって観察打ち切りとし処理した. その結果,81例のうち80例が完全生存に分類されることが分かった.脱離再装着を行った1例は装着157ヶ月後に外傷により脱離したものであった。完全生存分類の80例のうち,4例が脱離後別の補綴装置を再製作していた.この4例の脱離は,おそらくリテーナーの一部剥離が起因するもので,完全脱離しなかったために2次ウ蝕を惹起し,これが再装着不能の原因となったことが推測された。接着ブリッジの最長機能期間は165ヶ月であった. 本研究によって,プライマー処理とスーパーボンドを併用した金銀パラジウム合金製接着ブリッジの高い信頼性が示唆されたが,接着ブリッジの利点と言われる「再装着」については症例数が非常に少ないことも判明した.
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