2005 Fiscal Year Annual Research Report
傾斜機能を持つ光重合型義歯床用軟質裏装材の創製と臨床応用に関する研究
Project/Area Number |
17592031
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
蟹江 隆人 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (70152791)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伴 清治 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (10159105)
藤井 孝一 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教授 (60156817)
門川 明彦 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (00169533)
|
Keywords | 軟質裏装材 / ウレタンオリゴマー / 光重合 / 弾性 / 硬さ |
Research Abstract |
ウレタン系オリゴマーを主成分とする試作軟質裏装材の硬化前後の物性、硬化後の耐久性、義歯床用レジンとの接着性を明らかにした。その結果、 (1)重合前の試作軟質裏装材の粘度は、1.9-187.9Pa・sを示した。 (2)重合後の試作軟質裏装材の引張り強さは、一日後が0.13-14.7MPa、3ヶ月後が0.16-14.7MPaを示した。 (3)重合後の試作軟質裏装材の表面硬さは、一日後が46.9-87.2、3ヶ月後が38.2-75.0を示した。 (4)重合後の試作軟質裏装材の弾性率は、一日後が3.6-20.6MPa、3ヶ月後が3.4-19.8MPaを示した。 (5)重合後の試作軟質裏装材の接着強さは、一日後が0.5-16.1MPa、3ヶ月後が0.7-14.7MPaを示した。 (6)重合後の試作軟質裏装材の吸水量は、3ヶ月後が2.3-3.3mg/cm^2を示した。 (7)重合後の試作軟質裏装材の残留モノマー量は、0.1%以下から8.2%の範囲にあった。 以上のことから、重合前の粘度は、この研究方法で検討中の筆やスパチュラを使った塗布に適していることが明らかとなった。また、重合後の表面硬さ、引張り強さおよび弾性率は従来使用しているアクリル系やシリコーン系軟質裏装材と同じ範囲の値を示した。アクリルレジンとの接着強さは、シリコーン系軟質裏装材と同等接着強さを示し、3ヶ月後もその値は低下しなかった。3ヶ月後の吸水量は、シリコーン系軟質裏装材の値に比べ、大きな値を示した。この点に関しては、改良の余地があると考えられる。今回試作したウレタン系オリゴマーを主成分とする光重合型軟質裏装材は新しい技法に使用できる可能性が示唆された。次年度はウレタン系オリゴマーの改質と積層化の実験を行う予定である。
|
Research Products
(2 results)