2006 Fiscal Year Annual Research Report
ビスフェノールA誘導体による代謝活性化酵素の誘導と細胞内カルシウムの動向
Project/Area Number |
17592036
|
Research Institution | Health Sciences University of Hokkaido |
Principal Investigator |
日景 盛 北海道医療大学, 歯学部, 准教授 (20134710)
|
Keywords | CYP1A1 / 酵素誘導 / ビスフェノールA / フタル酸工ステル / Polymerase chain reaction(PCR) / Aryl hydrocarbon Receptor(AhR) / ルシフェラーゼ・アッセイ / WY-14643 |
Research Abstract |
ヒト肝臓ガン由来のHepG2細胞を用いてビスフェノールA(BPA)誘導体とフタル酸エステル類のCYP1A1誘導能を調べ、その誘導機構を考察した。その方法としてPolymerase chain reaction(PCR)法とルシフェラーゼアッセイ(Luc.assay)を用いた。その結果、BPAは、AhRを介してXREに結合し、レベルは低いがCYP1A1を発現誘導することが示唆された。またBPAは、AhR mRNAレベルが対照(dimet hylsulfoxide、DMSO)の3.1倍を示し、AhRを発現誘導する可能性を示唆した。このAhR発現誘導がBPAとMCの共暴露によるCYP1A1 mRNAレベルの相乗的な増大の理由であると考えられた。さらにCYP1A1の発現誘導に細胞内Ca^<2+>濃度の上昇が関与していることが示唆された。 一方Peroxisome proliferator-activated receptors(PPARα)のアゴニストであるWY-14643を比較対照としてジ(2-エチルヘキシル)フタレート(DEHP)のCYP1A1誘導能を調べた。WY-14643暴露による結果からCYP1A1の誘導はAhRを介さずに別の経路、すなわちPPARαを介して誘導され、AhRを発現誘導することが示唆された。しかしDEHPは、AhRを介してCYP1A1を発現誘導することはなかった。さらにAhRの発現を誘導する傾向はあったが、有意にAhRの発現誘導を増大することはなかった。Ca^<2+>不含の培養液を用いるとWY-14643もDEHPもCYP1A1の誘導は低下することからPPARαを介するCYP1A1の誘導もCa^<2+>の影響を受けているものと考えられた。従ってCYP1A1の誘導にはCa^<2+>の存在が必須であると考えた。
|
Research Products
(2 results)
-
[Journal Article] Supreinduction of cytochrome P450 1A1 by di (2-ethylhexyl)ethylhexyl)phthalate,2006
Author(s)
S.Hikage, N.Shibahara, S.Iwao, T.Saito, T.Kamataki, N.Saeada, T Hongo
-
Journal Title
84^<th> International Association for Dental Research (Brisbane), Abstract : J Dent Res, #0958 85, Special Issue B (CD-ROM)
-