Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 裕二 昭和大学, 歯学部, 教授 (70187251)
北川 昇 昭和大学, 歯学部, 助教授 (80177831)
下平 修 昭和大学, 歯学部, 講師 (30235684)
七田 俊晴 昭和大学, 歯学部, 助手 (70307057)
今井 智子 昭和大学, 歯学部, 助手 (20384331)
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Research Abstract |
1.目的 近年,エビデンスの必要性は歯科医療の分野においても求められ,科学的根拠に基づいた明確な医療行為の提供が望まれている.しかし,根拠の確立の必要性や重要性を感じる風潮がある中,いまだそれを確立するための研究報告は見られず,早急なエビデンスの確立が避けて通れない今後の課題であることは明白である.そこで本研究では,「要介護高齢者」を対象とした歯科治療の満足度の自己評価(高齢者立脚型アウトカム)を集計すると共に,包括的または疾患別に健康関連QOLの計測を行うことにより,施された歯科治療と患者QOLの向上との総合的な関連性の解明を行う.さらに,対象となる要介護高齢者を「WHO国際生活機能分類」を用いて口腔内の疾患状況別に分類し,治療前後の状況の評価を行うことにより,全身疾患に対する医学的治療によるQOLへの影響と,歯科治療によるQOLへの影響を比較,検討することができる.そして,歯科治療がQOLの向上へ与える有効性の大きさを示すことにより,最適で有効的な歯科治療のためのガイドラインを確立することを目的とした. 2.方法 上下無歯顎の総義歯と,少数歯残存のオーバーデンチャーの新製治療をした患者のアウトカム評価を検討した.これには,咀嚼機能・満足度(QOL)をテクノロジーアセスメントとし,そのスコアを算出して用いた.診査時期を,(1)旧義歯,(2)新義歯装着後初回調整前,(3)装着後1ヶ月の3回とし,各時期間での評価の変化を検討した.また,満足度評価に関しては,その評価構成因子を詳細に分析した. 3.結果・まとめ 本科学研究費で購入した変換ソフトを使用することにより,旧義歯や顎堤状態のスコアに対する影響因子の検討が可能となった. 咀嚼スコアの平均は経時的に低下する傾向があり,旧義歯の咀嚼スコアが高い場合には,新義歯のスコアが低下する傾向にあることが示唆された.また,全体的に経時的な満足度スコアは上昇し,旧義歯の満足度スコアが高い場合には,新義歯装着直後のスコアが低下する傾向にあることが示唆された.
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