2006 Fiscal Year Annual Research Report
歯科治療による要介護高齢者のQOL向上の生活機能分類別アウトカムを用いた評価
Project/Area Number |
17592038
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
北川 昇 昭和大学, 歯学部, 助教授 (80177831)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 裕二 昭和大学, 歯学部, 教授 (70187251)
下平 修 昭和大学, 歯学部, 講師 (30235684)
七田 俊晴 昭和大学, 歯学部, 助手 (70307057)
今井 智子 昭和大学, 歯学部, 助手 (20384331)
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Keywords | アウトカム評価 / 総義歯 / テクノロジーアセスメント / 咀嚼機能評価 / 満足度評価 / 総義歯評価 / 顎堤状態の評価 / QOL評価 |
Research Abstract |
I.目的 超高齢社会を迎えた現在,患者のQOL向上のためには,効率的で質の高い義歯治療が重要である.これは,要介護高齢者においても同様である.そこで,義歯治療のテクノロジーアセスメントの手法を用いて,そのアウトカムを調査し,新義歯治療における患者の義歯に対する評価の経時変化と,その原因を明らかにすることを目的とした. II.方法 上下総義歯を新製した患者35名のアウトカムを検討した.咀嚼機能評価・満足度評価・顎堤の状態の評価をテクノロジーアセスメントとし,それぞれ得られたスコアをアウトカムとして用いた.診査時期を,(1)新義歯完成前の旧義歯使用時,(2)新義歯装着後初回調整時,(3)装着後約1ヶ月の3回とし,その評価の変動を検討した.また,咀嚼機能評価および満足度評価の評価構成因子を分析・検討した. III.結果 咀嚼機能評価では,旧義歯の評価が高いほど新義歯の評価が低下し,新義歯装着後約1ヶ月経過すると,咀嚼不能食品数が有意に減少することが示された.満足度評価は,経時的にスコアが上昇し,「上顎義歯の適合性」と「下顎義歯の違和感」が満足度評価を左右する因子であることが示された.さらに,咀嚼機能評価と満足度評価の変動には,正の相関が示された.咀嚼機能評価および満足度評価と顎堤状態の評価の間には,有意な関連性は示されなかった. IV.結論 新義歯装着前後の患者の義歯に対する評価の経時変化と,その原因が明らかになり,患者の満足度を高めるためには,咀嚼機能および上顎義歯の適合性,下顎義歯の違和感に重点をおいた治療をすべきであるという臨床的な示唆が得られた.
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Research Products
(6 results)