2006 Fiscal Year Annual Research Report
唾液性状に応じた人工唾液および口腔湿潤剤の選択ガイドラインの確立
Project/Area Number |
17592040
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
佐藤 裕二 昭和大学, 歯学部, 教授 (70187251)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北川 昇 昭和大学, 歯学部, 助教授 (80177831)
下平 修 昭和大学, 歯学部, 講師 (30235684)
桑澤 実希 昭和大学, 歯学部, 助手 (10343500)
原 聰 昭和大学, 歯学部, 助手 (50384334)
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Keywords | 歯学 / 臨床 / 老化 / 人工唾液 / 口腔湿潤剤 / ガイドライン / チェアーサイド |
Research Abstract |
1.目的 超高齢社会を目前に控えるわが国において,口腔乾燥症状を訴える高齢者が年々増えてきている.ドライマウスは治療薬剤,老化やストレスなど様々な要因によって誘発される.しかし,ドライマウス治療を行っても改善がみられず慢性的に口腔乾燥が続いている患者も多い.近年では,人工唾液および口腔湿潤剤に関して形状に変化をつけるなどの様々な工夫が試みられている.しかし,個々の患者に対して,どの人工唾液および口腔湿潤剤を選択すべきかという報告はほとんどされていない.そのため本研究では,ドライマウスに対する臨床効果を主観的および客観的に評価し,唾液性状に応じた人工唾液および口腔湿潤剤の選択ガイドラインを確立することを目的とする.これに先立ち,チェアーサイドで唾液の性状を瞬時に測定できる毛細管マイクロピペット用いた方法を新たに開発し従来の方法と比較した. 2.方法 人工唾液にムチンを添加した試料の性状測定を行った.人工唾液は,無機成分の濃度を1,2,4倍に変えたものと,有機成分"ムチン(ブタ胃由来)"の濃度を0.5,1.0,2,0,4.0,8.0,16.0g/lに変えて添加したものを製作し,これらを組み合わせて3グループ11種類の試料とした.測定は,曳糸性測定装置(NEVE METER^<【○!R】>)と超音波式粘度計(VISCOSTIK^<【○!R】>)を用い,2種類の毛細管マイクロピペットを使用し同様の測定を30秒後まで行った. 3.結果・まとめ 有機成分濃度が増加すると毛細管吸い上げ高さは減少し,曳糸性と粘度は上昇することが示された.また,無機成分濃度の増加による変化は小さい傾向にあった.さらに毛細管吸い上げ高さと粘度は強い負の相関を示した.(P<0.01) 以上の結果から新しく開発した評価法と,唾液の性状の測定方法との関連性が明らかになり,簡便な唾液評価法が開発できる可能性が示唆された.
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Research Products
(1 results)