2005 Fiscal Year Annual Research Report
ゼータ電位による補綴材料およびアパタイト表面への唾液タンパク吸着性と吸着防止評価
Project/Area Number |
17592045
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Research Institution | Tokyo Dental College |
Principal Investigator |
三宅 菜穂子 東京歯科大学, 歯学部, 助手 (40276978)
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Keywords | ゼータ電位 / 唾液タンパク / アパタイト / レーザー |
Research Abstract |
本年度はレーザー照射前後のアパタイト表面の接触角、SEM・AFMによる微細構造観察、ゼータ電位およびアパタイト表面へのBSAの吸着状態について比較検討した。焼結アパタイト(アパタイトペレット^<TM>旭光学工業社製)を鏡面研磨し、15分間超音波洗浄し、ディシケーターに1週間保存してから実験に用いた。レーザー照射にはGaAlAs半導体ダイオードレーザーLD15(波長:810nm、Dentek Laser Systems Production社製)を使用し、照射条件は6.1 Watt 60sec、エネルギー密度300J/m^2とした。とくに、アパタイト表面へのBSAの吸着状態については、モニター粒子に相互作用を持つ(吸着する)タンパクとして牛血清アルブミン(BSA)2.0×10-5mol/lを10mM NaClに懸濁し、注入して30分放置し、その後セルおよびチューブ系統を10mM NaCl約50mlを流して洗浄し、10mM NaClにラテックスモニター粒子を注入してゼータ電位を測定した。吸着実験前後のゼータ電位からBSAの吸着状態を比較した。 接触角はレーザー照射前よりも照射後のほうが小さくなる傾向が認められた。SEM像ではレーザー照射前後いずれも多数の研磨傷が観察され、差異はみとめられなかったが、AFM3次元表示(断面プロファイル)像では照射前に比べ照射後で研磨傷先端が鈍くなっていた。ゼータ電位ではレーザー照射前後で、有意差は認められなかった。電気泳動装置を用いたヒドロキシアパタイト表面へのBSAの吸着実験後のゼータ電位ではレーザー照射の有無にかかわらず吸着実験前よりも負に大きな値を示した。
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