2005 Fiscal Year Annual Research Report
分子プレカーサー法を利用した新規3次元スキャホールドの再生医療への応用
Project/Area Number |
17592046
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
早川 徹 日本大学, 松戸歯学部, 講師 (40172994)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉成 正雄 東京歯科大学, 歯学部, 助教授 (10085839)
佐藤 光史 工学院大学, 工学部, 教授 (10154105)
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Keywords | 3次元スキャホールド / 再生医療 / チタン / チタンファイバーメッシュ / 分子プレカーサー法 / アパタイト薄膜 / 炭酸含有アパタイト / XPS |
Research Abstract |
本研究では,3次元スキャホールドとしてチタンファイバーメッシュに着目した.まず,分子プレカーサー法を用いてチタンファイバーメッシュへの炭酸含有アパタイト薄膜コーティングについて検討した.分子プレカーサー溶液はEDTA-Ca錯体のアルコール溶液とメタリン酸ジブチルアンモニウム塩をCa/P=1.67の割合で調整して作製した.EDTA-Ca錯体は通常アルコールに溶解しないのであるが,ジブチルアミンを加えることによってアルコール可溶性となり,製膜性も向上する.チタンファイバーメッシュは気効率82%,直径15mm,厚さ3.0mmのディスク状の物を用いた. チタンファイバーメッシュを分子プレカーサー溶液に5分間浸漬し,その後,60℃で20分間,600℃で2時間加熱処理を行なった.チタンファイバーメッシュ内部での炭酸含有アパタイト薄膜の形成状態の確認をX線光電子分光(XPS)法にて確認した.その結果,1回処理ではチタンファイーバーメッシュの表面にはCa原子,P原子の存在が確認され,炭酸含有アパタイト薄膜が形成されていたが,ファイバーメッシュ内部ではCa原子,P原子の存在はほとんど確認されず,薄膜の形成は不十分であった.これは,プレカーサー溶液のファイバーメッシュ内部への浸透が不十分であったためと思われる.そこで,溶液の浸透性を高めるために,溶液浸漬と加熱処理を3回繰り返す3回処理を行なった.その結果,チタンファイバーメッシュ内部までCa原子,P原子の存在が確認され,効率よく炭酸含有アパタイト薄膜が形成されたことが判明した. 以上,分子プレカーサー法を用いて,3次元スキャホールドとして有望なチタンファイバーメッシュの内部にまで炭酸含有アパタイト薄膜コーティングを施すことができた.
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