2006 Fiscal Year Annual Research Report
酸性水、アルカリ水ならびに混合液のpHの違いがヒト天然歯と歯科用合金に及ぼす影響
Project/Area Number |
17592050
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Research Institution | The Nippon Dental University |
Principal Investigator |
青木 春美 日本歯科大学, 生命歯学部, 助教授 (50150925)
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Keywords | 電解酸性水 / 電解アルカリ水 / 混合液 / 歯科用合金 / 色差 / 重量変化率 / pH / 残留塩素濃度 |
Research Abstract |
電解酸性水(約pH3.00)、電解アルカリ水(約pH12.00)、これらの混合液2種(pH5.00と7.00)の計4種の液が歯科用合金に与える影響を調べた。 (1)色差は酸性水で16.6、pH5.00で11.5、pH7.00で10.3、アルカリ水で3.0であった。 (2)色差は銀合金で大きく、最大は酸性水に浸漬したアロイシルバーの38.1であった。 (3)色差は7種の合金種ではpHが上がるにつれて小さくなったが、銀合金のミロスリーのみが、酸性水に浸漬すると白変し12.5と低く、pHが上がるにつれて黒変し、pH7.00では26.4であった。 (4)酸性水に浸漬した合金のうち、金銀パラジウム合金を除く6種類の合金で重量の減少が認められ、特に金合金の減少率が大きく、-0.03〜-0.09%であった。 (5)重量変化率は全合金で動的浸漬より静的浸漬より静的浸漬の方が大きかった。 (6)浸漬液のpHは酸性水、pH7.00の液では合金種にかかわらず大きな変化はみられなかったが、pH5.00の液では金銀パラジウム合金、銀合金の浸漬後は4.9〜6.7と分散した。残留塩素濃度は酸性水では生成直後の液の濃度の約30%に、pH5.00では約50%、pH7.00では約70%に減少した。ORPはアルカリ水を除く3液で動的浸漬より静的浸漬の方で大きく、また、37℃より23℃の方が大きかった。 以上より、歯科用合金は酸性水に浸漬したとき色差が最も大きく、pHが上がるにつれて色差は小さくなった。また、金合金を酸性水に浸漬すると溶解し、重量が大きく減少した。これらより含漱剤など口腔に適用するときはpHの値をコントロールする必要があると考える。
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