2005 Fiscal Year Annual Research Report
超塑性変形した炭酸含有アパタイト焼結体の生体材料への応用
Project/Area Number |
17592053
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Asahi University |
Principal Investigator |
足立 正徳 朝日大学, 歯学部, 助教授 (60076057)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
土井 豊 朝日大学, 歯学部, 教授 (40116067)
若松 宣一 朝日大学, 歯学部, 助手 (00158594)
亀水 秀男 朝日大学, 歯学部, 講師 (00152877)
飯島 まゆみ 朝日大学, 歯学部, 助手 (80164838)
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Keywords | アパタイト / 超塑性変形 / X線回折 / 赤外分光分析 / 生体親和性 |
Research Abstract |
これまでに、硬組織代替材に生体親和性に優れる水酸化アパタイト焼結体やβリン酸三カルシウム等がインプラント材として利用されているが、硬組織代替材に応用するためには、その複雑な形態に成形させる必要があり、その作業にはかなりの困難さが生じていた。しかしながら、高温での超塑性変形を利用すれば、曲げ等の変形が容易に起こり、所定の形状に成形できる可能性がある。当然ながら、高温下で荷重を与えることにより、緻密度の向上も考えられ、変形後の物性の向上も考えられる。そこで本年度においては、焼結体の塑性変形後の結晶構造および硬さの変化を検討した。その結果、SEM観察、X線回折分析において、大きな塑性変形を示した焼結体では、アパタイト結晶のc軸が加圧方向に対し垂直方向に、つまり引張り荷重が働く方向に配向していくことが判明した。さらに、各温度(700〜900℃)で塑性変形させた焼結体の表面のヌープ硬さは、どの温度の場合も400前後と、加熱温度を変化させても硬さはほとんど変わらなかった。塑性変形させるために焼結体を再加熱したが、900℃でも焼結体に残留する炭酸の含有量は約7wt%あり、これまでの炭酸含有アパタイトであることが示された。また破骨細胞の吸収性を検討した結果、変形後の焼結体でも良好な吸収性を示すことが判明した。次年度以降においては、曲げ、引張り等の変形を試み、種々の形態への成形の可能性と、生体親和性について可能な限り明らかにする予定である。
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