2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17592055
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Research Institution | Osaka Dental University |
Principal Investigator |
今井 弘一 大阪歯科大学, 歯学部, 講師 (90103100)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 正明 大阪歯科大学, 歯学部, 教授 (50067055)
小倉 英夫 日本歯科大学, 新潟生命歯学部, 教授 (60095099)
後藤 真一 日本歯科大学, 新潟生命歯学部, 助教授 (10105504)
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Keywords | 歯学 / 発生・分化 / 生体材料 / 細胞・組織 / ES細胞 / Ag-Pd-Au-Cu-In合金 / Ag-In合金 / EST法 |
Research Abstract |
インジウム化合物に発生毒性が指摘されていることから,インジウムを含む歯科用合金における発生毒性の存在を検討した.初年度に歯科で用いられているすべてのインジウム含有の合金をスクリーニングした結果,発生毒性のリスクの存在が考えられたインジウム20%含有のAg-In合金について,異なるエンドポイントであるラット全胚培養法による発生毒性試験を実施した.Ag-In合金粉末とダイヤモンド粉末を撹拌溶解装置に入れた後,DMEMを超純水で溶解後2倍濃度にした培養液10mLとともに4時間撹拌後に再度濾過滅菌して試験液とした.なお,Ag-In合金粉未無添加条件を対照とした.全胚培養は試験液に等量のラット血清を加え,Sodium Pyruvate,グルタミン,グルコース,メチオニンを添加した.実験群ならびに対照群各10匹,計20匹のCrj: CD(SD)系ラットの胎齢9日胚を48時間培養し,それぞれの胎児の形態異常を調べた.なお,ES-D3細胞用培養液を用いて全胚培養を試みたが,これらの培養液や長時間の抽出条件では全胚培養用培養液として適さないことが判明した. 全胚培養の結果,卵黄嚢の直径,頭腎炎,頭長,体節数,タンバク量などいずれも対照群と有意差が認められず,今回実施したAg-In合金抽出試験液での胚の異常は確認できなかった.なお,元素溶出量は,ICPSによる測定結果から,Agが平均0.055ppm, Inが0.295ppmと少なかったことが今回の結果に反映したと考えられる.全胚培養法はEUでEST法とともに発生毒性試験法として,動物実験代替法の側面からバリディーションが実施され,EST法同様にヒトの既知データと高い相関性が確認されている.初年度の研究成果と併せて,試作Ag-In合金の発生毒性のリスクはきわめて低いことが再度確認できた.
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Research Products
(1 results)