2005 Fiscal Year Annual Research Report
カーボンナノチューブ/アルギン酸ナノコンポジットによる再生医療用バイオゲルの開発
Project/Area Number |
17592057
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Fukuoka Dental College |
Principal Investigator |
川口 稔 福岡歯科大学, 歯学部, 助手 (10122780)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中嶋 直敏 九州大学, 大学院・工学研究院, 教授 (80136530)
武田 昭二 大阪歯科大学, 歯学部, 助教授 (20067185)
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Keywords | カーボンナノチューブ / 再生医療 / アルギン酸 / 足場材 |
Research Abstract |
再生医療用scaffoldとしての応用を目的として,カーボンナノチューブ(CNTs)で機能化したアルギン酸ゲルを調製した.アルギン酸ゲルは創傷面被覆材やDDS基材として広く臨床応用されているが,生体内でscaffoldとして用いる際にその強度不足が問題となっている.そこで,本研究ではアルギン酸とCNTs共存下でゲル化させることによって,CNTsを架橋ポイントとして強度向上をはかることに加えて,CNTs表面のカルボン酸およびその修飾官能基に各種の薬剤や生理活性物質を結合させることによって,機能化scaffoldを創製することを目的としている.アルギン酸塩を脂肪族ジアミンと活性エステル化剤を用いてCaフリーの条件でゲル化させた.この際に強酸で表面処理して水溶性に改質したCNTsを分散させて,アルジネート/CNTsナノコンポジットゲルを調製した.このゲルはCNTs未配合ゲルに比べてゲル化が速く,ゲルの強度も向上した.このゲルを凍結乾燥したナノコンポジットscaffoldは細胞毒性も見られず,ラット皮下に埋入した場合も組織為害性を示さなかった.このことから,調製したナノコンポジットゲルはscaffold材料としての有用であることが明らかとなったが,さらにCNTs表面の官能基を利用してヘパリンなどの生理活性物質を結合させた場合についての徐放性や生体適合性について検討を続ける.
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