2005 Fiscal Year Annual Research Report
三叉神経刺激に対する反応の臓器による差異に関する研究
Project/Area Number |
17592058
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
亀倉 更人 北海道大学, 病院, 講師 (80214550)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福島 和昭 北海道大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (00002361)
藤澤 俊明 北海道大学, 大学院・歯学研究科, 助教授 (30190028)
木村 幸文 北海道大学, 病院・助手 (00292037)
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Keywords | 三叉神経 / 臓器血流量 / 電磁血流計 / 循環抑制 / 交感神経 |
Research Abstract |
比較的低頻度の電気刺激を家兎の三叉神経に加えると,交感神経活動の減少により平均動脈圧の低下が生じるが,その際の血液量の低下が部位あるいは臓器によって異なるかどうかについては検討されていない.そこで今回,三叉神経刺激によって血圧の低下を惹起させた際に,総頸動脈と大腿動脈の血流量の変化に差があるかどうかを検討した. 実験には体重約3.5kgの日本白色種雄性家兎を用いた.ウレタン、α-クロラロース、ガラミンを投与し,気管切開した後,酵素・空気(吸入酸素濃度30%)による人工呼吸下にて実験を行った.オトガイ神経に電気刺激を加え血圧を低下させ,その際の血流量の変化を総頸動脈と大腿動脈にて検討した.オトガイ神経電気刺激は電気刺激装置ならびにアイソレータを用い白金製双曲電極にて行い,強度5V,頻度5Hz,持続時間0.5msの矩形波で10sの刺激を加えた.血流量の測定は,それぞれの動脈に直接プローベを装着し,電磁血流計で行った.大腿動脈にカニュレーションし,動脈圧を測定した. 平均動脈圧は,三叉神経電気刺激により対照値の77.1%に低下した.総頸動脈血流量は,刺激により対照値の80.5%に低下した.一方大腿動脈血流量は刺激により対照値の56.2%に低下し,総頸動脈血流量の低下に比し,より低下が大きい傾向があった.以上の結果より,三叉神経刺激により生じる循環抑制の影響は,臓器によって異なる可能性があることが,血流量の測定によって示唆され,部位により血流の自己調節能の違いが存在すると考えられた.
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