2005 Fiscal Year Annual Research Report
Pim-1がん遺伝子の口腔扁平上皮がんにおける役割の解明と治療への応用
Project/Area Number |
17592059
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
石川 誠 北海道大学, 病院, 講師 (10202970)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
進藤 正信 北海道大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (20162802)
小林 正伸 北海道大学, 遺伝子病制御研究所, 助教授 (80241321)
東野 史裕 北海道大学, 大学院・歯学研究科, 助手 (50301891)
大廣 洋一 北海道大学, 病院・助手 (40301915)
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Keywords | 口腔扁平上皮がん / HIF-1 / Pim-1 |
Research Abstract |
がん細胞は自律性増殖することを特徴の一つとし、その結果がん組織は低酸素状態に陥っていることが多い。低酸素状態での細胞の恒常性を維持する転写因子としてHypoxia Inducible Factor (HIF)が同定された。今回、口腔扁平上皮がんにおけるHIF1αと血液細胞のがん化に関連していることが示されているPim-1の発現を検索し、臨床病理学的に検討を加えた。 北海道大学歯学部口腔外科を受診し、病理組織学的に舌扁平上皮がんと診断された症例の中でT1およびT2の39症例を本研究の対象とした。10%中性ホルマリン固定・パラフィン包埋した標本を用い、HIF-1α、Pim-1と増殖因子マーカーであるMIB-1に対する免疫染色を行い、HIF-1α、Pim-1の免疫染色結果より陽性・陰性症例に分類した。G0期以外で発現する細胞増殖活性マーカーであるMIB-1は腫瘍細胞500個あたりのMIB-1陽性細胞数を計測し、20%以下のものを増殖活性が低いMIB-1(-)症例、21%以上のものを増殖活性が高いMIB-1(+)症例と分類した。 舌扁平上皮がん39症例中17例にPim-1の発現が認められた。陽性症例では腫瘍細胞の核に一致して陽性所見が認められた。HIF-1α陽性12症例中9例はPim-1陽性、HIF-1α陰性27例中19例はPim-1陰性でHIF-1αとPim-1の発現症例は有意の相関を示していた。細胞増殖因子マーカーMIB-1の発現亢進は39例中14例認められた。Pim-1発現との関連では、Pim-1陽性群17例中10例、陰性群22例中4例がMIB-1(+)症例で、Pim-1陽性群において明らかに高い傾向を示し、有意な差が認められた。
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