2006 Fiscal Year Annual Research Report
口腔癌の所属リンパ節転移におけるケモカインシステムの解明と口腔癌治療への応用
Project/Area Number |
17592071
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
加藤 文度 浜松医科大学, 医学部, 助教授 (60204492)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 秀生 浜松医科大学, 医学部附属病院, 助手 (30362205)
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Keywords | naive CD8+ T cells / homing / lymph node / dopamine receptor D3 |
Research Abstract |
口腔癌において、顎下または頚部リンパ節への転移の頻度は非常に高く、予後に大きく関与する。リンパ節へのホーミングに関わる因子として、ケモカイン・ケモカインレセプター系が知られているが、今回申請者はケモカインレセプターと同様に7回膜貫通型Gタンパク共役型の構造をもつドーパミンレセプターD3がナイーブCD8陽性T細胞に選択的に発現し、ナイーブCD8陽性T細胞の遊走とリンパ節へのホーミングに関与していることを見出した。今研究期間において申請者は、D3が遺伝子レベルおよびタンパクレベルでナイーブCD8陽性T細胞に発現していること、ドーパミンによる遊走反応および接着反応を誘導すること、ナイーブCD8陽性T細胞の主要な遊走因子であるケモカインCCL19、CCL21、CXCL12との共存下においてドーパミンは相乗的な遊走反応を誘導することを示した。また、D3特異的阻害剤を腹腔内に投与したマウスにおいて、蛍光標識したナイーブCD8陽性T細胞のリンパ節中での特異的な数の減少を認めた。以上の結果から、二次リンパ組織へのナイーブCD8陽性T細胞のホーミングは、D3がナイーブCD8陽性T細胞に選択的に発現しており、ドーパミンはD3を介してインテグリンの活性化、および細胞遊走を誘導することが明らかとなった。さらにマウスへのT細胞の移入実験において、D3特異的阻害剤がナイーブCD8陽性T細胞のリンパ節内での数を選択的に減少することから、ホーミングを部分的に阻害することが明らかとなった。結論として、ドーパミンはケモカインと協調して二次リンパ組織へのナイーブCD8陽性T細胞のホーミングに関与することが示唆された。口腔癌のリンパ節への転移時にもケモカイン-ケモカインレセプター系だけでなく、D3など他の7回膜貫通型Gタンパク共役型レセプターの関与が考えられ、現在口腔癌組織を用いて研究をすすめている。
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