2005 Fiscal Year Annual Research Report
睡眠時無呼吸発生時のみ下顎前突させる人工筋肉駆動型口腔内装置の開発
Project/Area Number |
17592074
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
吉田 和也 京都大学, 医学研究科, 助手 (90263087)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
陳 和夫 京都大学, 医学研究科, 助教授 (90197640)
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Keywords | 睡眠時無呼吸症候群 / 口腔内装置 / 人工筋肉 / 生活習慣病 / 血圧 |
Research Abstract |
人工筋肉の特性に関する検討 人口筋肉の収縮力と変位性を各条件下で測定し、実際に必要な下顎前突のための収縮力と牽引方向を正常被験者にて測定中である。人工筋肉駆動めため必要な電力、最適値を確定する予定である。 口腔内装置の生活習慣病への影響 口腔内装置装着による生活習慣病への影響を検討するため血圧に及ぼす影響を検討した。対象は161例(男性121例、女性40例、平均年齢54.3±13.7歳)のOSAS患者[平均無呼吸低呼吸指数(AHI):17.9±14.1]とした。口腔内装置を装着前後で、収縮期血圧、拡張期血圧、平均血圧を測定した(各々、132.0±16.1mmHg、82.1±10.6mmHg、107.1±12.9mmHg)。口腔内装着後に、収縮期血圧、拡張期血圧、平均血圧は有意に(p<0.001)低下した(各々、127.5±15.0mmHg、79、2±10.0mmHg、103.4±12.0mmHg)。血圧の低下は治療前の血圧と有意な(p<0.001)相関が認められた。Responder群(70例、血圧低下>3.7mmHg)およびpartial responder群(46例、0<血圧低下≦3.7mmHg)はnonresponder群(45例、低下≦0mmHg)の52.5%と比較して有意に(p<0.05、ANOVA)高いAHIの減少(各々、69.6%、65.9%)を示した。効果的な口腔内装置治療によって高血圧症を合併するOSAS患者に有意な血圧の効果を認めることが示唆された。 睡眠時無呼吸症候群と歯周病の関連 睡眠時無呼吸症候群の患者の大多数が歯周病に罹患していることが明らかになってきた。歯周病検査を行った219名OSAS患者のうち中等症の歯周病を示す4-6mmの歯周ポケットを有する比率が58.9%、重度の歯周病を示す6mm以上のポケットを有する比率が38.4%、残存歯は平均26.2本、プロービングで出血のみられた歯は平均5.9本であった。歯周ポケットが3mm以下は2.7%のみで、全例で定期的な歯周治療を受けていた。欠損歯は少ないが、定期的な歯周治療を受けていないほぼ全例で中等症以上の歯周病に罹患していることが明らかになった。
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