2005 Fiscal Year Annual Research Report
免疫細胞が引き起こす骨吸収機構への分子遺伝学的な解明
Project/Area Number |
17592078
|
Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
福永 城司 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助手 (10284069)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山近 英樹 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助手 (10294422)
辻極 秀次 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助手 (70335628)
|
Keywords | 骨粗鬆症 / 免疫抑制剤 / T, B細胞 / 骨代謝マーカー |
Research Abstract |
T細胞の活性を抑制する免疫抑制剤(FK506)を使用した場合に重篤な骨粗鬆症が引き起こされる。T細胞以外の他因子が関与して、破骨細胞が増加し骨破壊が引き起こされると考え以下の検討をした。 (実験方法) 1)FK506を用いた動物実験モデルの作製 6週齢のICR雄性マウスを、対照群には生理食塩水を、実験群にはFK506を4週間連日腹腔内投与した。 2)形態観察 脛骨のパラフィン切片を作製しB細胞を観察するために、免疫組織化学染色を行いた。次に、免疫組織化学染色像と、それに対応するTRAP染色像とを比較し、それぞれ対照群と実験群における変化を観察した。 3)B細胞と破骨細胞の関係を検討するための培養実験 破骨細胞の形成は、骨髄細胞と初代骨芽細胞様細胞を採取し、活性型ビタミンDを添加した。7週齢のICR雄性マウスの腸間膜リンパ節を摘出し、CD45R陽性細胞を分離回収した。B細胞が直接接触して、または、間接的に何らかの因子が、破骨細胞の形成を促進しているのかを検討するために、共存培養系に、フィルターを用いて、B細胞を添加し、破骨細胞の形成により評価した。 (結果・考察) ・対照群の免疫組織化学染色像と、それに対応するTRAP染色像では、B細胞は全体的に広がり、集積している様子やTRAP陽性の破骨細胞も、認められなかった。しかし実験群では、TRAP陽性の破骨細胞は、骨の表面に存在し、対照群と比べて増加していた。両者をあわせてみると、B細胞はTRAP陽性の破骨細胞の近くに集積しているように見えた。 ・培養実験では、TRAP陽性で多核の破骨細胞様細胞の形成数では、接触群は非接触群と比べて、TRAP陽性で多核の破骨細胞様細胞が有意に増加していた。 以上より、FK506投与による骨粗鬆症では、T細胞ではなく、B細胞によるRANKLの発現が増加して破骨細胞の形成が促進されているのではないかということが示唆された。
|
Research Products
(1 results)