2005 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト骨膜細胞複合移植を用いた骨再生医療の臨床応用化への研究
Project/Area Number |
17592079
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
植野 高章 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助手 (60252996)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
香川 智正 岡山大学, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (80346444)
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Keywords | β-TCP / ヒト骨膜細胞 / 培養 / 移植 / 骨再生 |
Research Abstract |
この研究の目的は、ヒト骨膜を採取し骨膜由来培養細胞を用いて骨形成の効率化をはかるものである。基礎研究方法としてラットの脛骨骨膜細胞を用いて人工的に作製したラット頭蓋骨の骨欠損部に移植した。この際に担体としてTricalcium-Phosphateを使用し骨膜細胞移植群、非骨膜細胞移植群に分類して骨欠損部での骨形成量をマイクロCTを用いての形態計測(Bone Volume/Tissue Volume骨欠損部内の新生骨量比)を行った。これにより骨膜細胞移植群が非骨膜細胞移植群に比較して明らかに骨形成量が増大した。また新生骨内に豊富な血管新生が観察された。これらの所見は、骨膜に含まれる骨形成細胞が移植後に骨芽細胞に増殖・分化したこと、血管新生への促進的な働きによると推察された。これを検証するために骨膜細胞の骨形成マーカーをBMP-2、CD44、VEGF抗体を用いて細胞シグナルを確定した。このことから骨膜細胞は骨形成細胞への分化能および血管誘導能をもつことが示唆された。これらの基礎的知見をもとにして患者同意を得た実際の口腔外科手術症例から健康な骨膜を採取し、通法に従いDMEM液にてヒト骨膜由来細胞の培養を行った。培養細胞は2週間後にコンフルエントに到達しこれらを、免疫染色で細胞分化マーカーの検索を行ったところBMP-2,Sox-9,VEGFを含む多分化な様相が観察された。これらを、多孔性のTricalcium-Phosphete(β-TCP)にて三次元培養を行った後に、免疫抑制を行ったラットの人工的に作製した頭蓋骨欠損部に移植して骨形成過程をマイクロCTを用いて三次元的に、また通常のヘマトキシリンエオジン染色法にて観察し、ヒト骨膜培養細胞に骨形成能があることを組織形態学的に証明した。
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