2005 Fiscal Year Annual Research Report
口腔癌の浸潤・転移に関与する上皮・間葉移行機構におけるp63の役割
Project/Area Number |
17592085
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
東川 晃一郎 広島大学, 大学院・ 医歯薬学総合研究科, 助手 (80363084)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鎌田 伸之 広島大学, 大学院・医 歯薬学総合研究科, 教授 (70242211)
小野 重弘 広島大学, 大学院・医 歯薬学総合研究科, 助手 (70379882)
重石 英生 広島大学, 病院・医員 (90397943)
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Keywords | 口腔癌 / 上皮・間葉移行 / 癌の浸潤・転移 / p63 |
Research Abstract |
本年度はsiRNA発現ベクターの安定導入によるp63をノックダウンさせた扁平上皮癌細胞株;A431_Δp63とOM-1_Δp63を樹立し,扁平上皮癌の上皮・間葉移行を介した浸潤・転移におけるp63の関与とその役割について解明する目的で,以下のとおり実施した. (1)A431_Δp63とOM-1_Δp63細胞についてウェスタンブロット法をおこなった結果,JAGおよびNOTCHの発現減弱を認めた.一方で,E-カドヘリンの発現に変化はなかった. (2)ΔNp63のプロモーター活性をルシフェラーゼアッセイにて検討した結果,上皮・間葉移行を誘導する転写因子Snailによってプロモーター活性が抑制された. (3)マトリゲルおよび再構成三次元培養の結果,A431_Δp63とOM-1_Δp63細胞の浸潤能の亢進を認めた. (4)癌組織における免疫組織化学的染色法の結果,深部に浸潤した扁平上皮癌細胞および高度浸潤型扁平上皮癌細胞でp63の発現の減弱を認めた. このようなデータの結果を踏まえ,最終年度となる来年度はΔNp63の詳細なプロモーター活性,癌の浸潤・転移に関与する新たなp63の下流遺伝子,さらに高度浸潤型扁平上皮癌細胞にΔNp63を遺伝子導入することによる浸潤能の変化についてさらに検討を進めたい.
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