2006 Fiscal Year Annual Research Report
口腔癌の浸潤・転移に関与する上皮・間葉移行機構におけるp63の役割
Project/Area Number |
17592085
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Research Institution | HIROSHIMA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
東川 晃一郎 広島大学, 大学院医歯薬学総合研究科, 助手 (80363084)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鎌田 伸之 広島大学, 大学院医歯薬学総合研究科, 教授 (70242211)
小野 重弘 広島大学, 大学院医歯薬学総合研究科, 助手 (70379882)
重石 英生 広島大学, 大学院医歯薬学総合研究科, 助手 (90397943)
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Keywords | 口腔癌 / 上皮・間葉移行 / 癌の浸潤・転移 / p63 |
Research Abstract |
昨年度はsiRNA発現ベクターの安定導入によるp63をノックダウンさせた扁平上皮癌細胞株(A43_Δp63とOM-1_Δp63)を樹立し,それら細胞の浸潤能の亢進を確認することにより,p63の欠失による浸潤経路を見いだした.本年度はp63が発現していない上皮・間葉移行(EMT)表現型扁平上皮癌細胞株であるHOC313にΔNp63αを発現ベクターで安定発現させ,p63の浸潤経路を確認した. (1)HOC313_ΔNp63α細胞についてウェスタンブロット法をおこなった結果,JAG1およびJAG2の発現の誘導を認めた.一方で,E-カドヘリンの発現の誘導はなかった. (2)マトリゲルおよび再構成三次元培養の結果,HOC313_ΔNp63α細胞の浸潤能の低下を認めた. 以上の結果から,SnailはE-カドヘリンと平行してp63の発現を転写レベルで抑制すること,つまりp63の発現抑制による浸潤能の獲得は,E-カドヘリンの発現抑制およびEMTとは独立した経路であることが証明された.さらにp63の下流としてNotch経路が重要であることを見いだした. これまでp63の癌における役割は明確でなく,発癌あるいは癌抑制の機能における模索に終わっていたが,この結果によって新たにp63の癌の浸潤への直接的な関与が始めて示された.現在,これらの結果を少なくとも2報の論文として作成中であり,1報はすでに投稿し,審査中である.
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