2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17592092
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
石飛 進吾 長崎大学, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (60363454)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鮎瀬 卓郎 長崎大学, 大学院医歯薬学総合研究科, 助教授 (20222705)
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Keywords | 嚥下音分析 / 誤嚥 / 誤嚥診断 / 声門閉鎖 |
Research Abstract |
昨年度は嚥下音と嚥下造影所見との同期による正常嚥下音の成分特性や、嚥下音と嚥下運動の関連についての検討を行った。本年度は、嚥下音と内視鏡検査所見との同期による嚥下音分析を中心に行った。特に発声時の嚥下音を分析し、sound spectrogramにおけるフォルマントの分析や基本周波数の分析を行うことで、嚥下音分析が声門閉鎖機能の評価に適している可能性が示唆された。声門閉鎖機能の低下は摂食機能障害や誤嚥の原因であり、摂食機能障害の診査においては、声門閉鎖機能の評価が不可欠である。声門閉鎖機能は発声させた声の状態を聴診することによって行い、声門閉鎖に異常がある場合には嗄声などが確認される。しかし、聴診による音声の評価だけでは軽度な声門閉鎖不全を発見できない場合も多く、詳細な評価には内視鏡検査での確認が必要である。発声時の音声分析を行うことで声門閉鎖機能の評価が可能であれば、摂食機能障害の診査を行ううえで有効である。発声時の嚥下音と内視鏡による声門閉鎖所見を比較検討した結果、声門閉鎖不全に特徴的な音声分析所見が認められた。(石飛)声門閉鎖時の嚥下圧や気道内圧の変化に関しては、嚥下音分析、嚥下造影検査所見および内視鏡検査所見との関連性を含めて検討中である。(鮎瀬) 誤嚥の検出に関しては、誤嚥時の湿性呼気音に対する周波数分析を行うだけでなく、声帯振動の変化を分析することにより、不顕性誤嚥を含めたより精度の高い誤嚥診断が可能となることが示唆された。今後はこれらの音声分析による診断結果と、嚥下造影検査等による診断結果を比較検討し、音声分析による誤嚥診断の精度を含めた検討が必要である。
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