2006 Fiscal Year Annual Research Report
増殖再生因子添加骨代用材による骨再生に関する実験的研究
Project/Area Number |
17592094
|
Research Institution | Nara Medical University |
Principal Investigator |
藤本 昌紀 奈良県立医科大学, 医学部, 助手 (10316078)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 一彦 奈良県立医科大学, 医学部, 助教授 (20243842)
桐田 忠昭 奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (70201465)
|
Keywords | 再生医療 / 骨再生 / 塩基性線維芽細胞成長因子 / 骨形成因子 / β-リン酸三カルシウム |
Research Abstract |
近年,咬合機能の回復に歯科インプラントが応用されるようになり,そのための歯槽骨の再生がその重要な役割を占めてきている。 本研究は,増殖再生因子添加骨代用材による新しい顎骨再建法の開発と臨床応用に向けての動物実験であり,まず血管新生作用をもつ塩基性線維芽細胞成長因子と骨形成因子を添加した生体内吸収性骨代用材であるβ-リン酸三カルシウム(β-TCP)による骨再生について検索した。 1.方法 直径1cm×高径2mmのディフュージョンチャンバー内に次の各群を充填し,a;βTCP+生理食塩水,b;βTCP+bFGF1μg, c;βTCP+bFGF 10μg, d;βTCP+BMP 10μg, e;βTCP+bFGF 1μg+BMP 10μg, f;βTCP+bFGF 10μg+BMP 10μgの6グループを移植材料とし,ラットの背部皮下に移植した。 それぞれを経時的に,2週,3週,4週,8週,16週,24週にて摘出し,組織学的および生化学的検索を行った。 2.結果 組織学的には,BMPを含有する群において2週目より新生骨の形成を認め,3週より活発な新生骨の形成がみられた。特に,d群においてはチャンバーの膜外面で直接生体に接する部分での骨新生が著明であった。 生化学的検索では,dおよびeの群では2週目より,fの群では4週目より24週目までアルカリホスファターゼ活性の上昇を認あたが,それぞれ4週の時点がピークであった。また,dおよびeの群では各群内でのばらつきは少なく,特にd群において安定していた。しかし,ピーク時における活性値の上昇度はe群が高かった。 3.結論 本研究モデルでの骨新生における至適条件は,βTCPにBMP(0.5μg/μl)を浸透したもの,あるいはそれに低濃度のbFGFを加えたものが適当である。
|