2006 Fiscal Year Annual Research Report
高次脳機能への静脈内鎮静法の作用と新たな精神鎮静法薬の開発に関する基礎的研究
Project/Area Number |
17592096
|
Research Institution | Kyushu Dental College |
Principal Investigator |
河原 博 九州歯科大学, 歯学部, 助教授 (10186124)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
椎葉 俊司 九州歯科大学, 歯学部, 講師 (20285472)
吉田 充広 九州歯科大学, 歯学部, 助手 (40364153)
河原 幸江 久留米大学, 医学部, 助手 (10279135)
|
Keywords | ストレス / カオス / 薬理学 / 神経科学 / 指尖容積脈波 / リアプノフ指数 / マイクロダイアリシス / 歯学 |
Research Abstract |
歯科治療がストレッサーとして生体に受容される過程と、静脈内鎮静法の作用発現に深く関連すると考えられる高次脳機能を形成する神経ネットワークへの静脈内鎮静法の作用をはじめに検討した.研究対象とする神経ネットワークは、1.ストレッサーを認識・認知するネットワーク、2.不安や恐怖などの情動の発現に関係するネットワーク、3.循環系や内分泌代謝系などの自律神経系反応形成に関係するネットワーク、4.ストレッサーを学習し記憶するネットワークとした。 研究手法として神経科学的研究手法であるマイクロダイアリシス(微小透析法)用いて、ネットワークを構成する神経系の神経活動に伴って神経シナプス間隙に放出される神経伝達物質量の変動を観察した.研究対象とする静脈内鎮静法薬は,現在最も広く臨床に用いられているベンゾジアゼピン系薬のミダゾラム、さらに非ベンゾジアゼピン系薬鎮静薬としてゾルピデムを用いた。ストレスのない無麻酔・無拘束・自由行動状態と,ストレッサーを負荷したストレス状態両方の状態で,これらの薬物を投与した際の,上記の神経ネットワークへの作用を観察した結果、ストレス負荷により、青班核、扁桃体、大脳皮質前頭前野、側坐核のセロトニン、ノルアドレナリン、ドーパミン神経活動が亢進し、ミダゾラムは、これらの神経活動をいずれも抑制ずるのに対し、ゾルピデムは、側坐核のドーパミン神経活動を主に抑制するのを観察した。 以上の中枢神経系へのストレス、精神鎮静法の作用をふまえて、新たな歯科治療ストレス軽減に関する方法を検討するため、中枢神経活動の変化が自律神経系反応として表出される過程の検索を、指先容積脈波形の非線形解析より行った。その結果、ストレスによりリアプノフ指数の上昇すること、低濃度笑気、ミダゾラムによりその上昇が抑制されることを観察した。
|
Research Products
(4 results)