2006 Fiscal Year Annual Research Report
鎮静剤と鎮痛剤の高齢・脳疾患ラット自律神経機能および脳シナプス膜機能の抑制作用
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17592101
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Research Institution | Health Sciences University of Hokkaido |
Principal Investigator |
工藤 勝 北海道医療大学, 歯学部, 講師 (90244863)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 芳久 日本大学, 薬学部, 教授 (50151551)
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Keywords | 鎮静剤 / 鎮痛剤 / 薬物相互作用 / 高齢 / 高血圧 / 運動機能回復 / 心柏 / 脳梗塞 |
Research Abstract |
本研究では高週齢(45〜50週令)の高血圧自然発症ラットSHRSP(脳梗塞簡易発症高血圧・脳梗塞)ラットを用い,鎮静剤と鎮痛剤の同時投与による,自発運動量,心拍数,血圧,体温など生体への影響を行動薬理学的に観察した。鎮静剤:ミダゾラム0.5mg/Kg(MID),鎮痛剤:ペンタゾシン6mg/Kg(PEN6)または12mg/Kg(PEN12)を単独または同時与薬(皮下注射)した。ラット脳シナプトニューロソームのGAB触受容体複合体C1^-取込み機能,培養海馬切片の神経細胞死における鎮静・鎮痛薬の影響を検討した。 1)鎮静および鎮痛効果 投与30・60分後,コントロール(生理食塩水を注射; CON)と比較してMID, PEN6とPEN12の単剤投与は鎮静効果を認めた。投与30分後の鎮痛効果はMID+PEN6同時投与,PEN12単独投与,そしてMID+PEN12同時投与の順に強く認めた。なおMID+PEN12同時投与では180分後まで鎮痛効果を認めた。 2)運動協調性機能抑制作用; 投与30分後においてMID・PEN6・PEN12の単剤投与,MID+PEN6同時投与で抑制作用を認めた。なお,30分後,MID・PEN12同時投与ではローターロッド上の歩行不可能な状態であった。PEN12単剤およびMID+PEN6同時投与は60分後まで,MID+PEN12同時投与では120分後まで抑制作用を認めた。180分以後で各群はコントロール(生理食塩水を注射; CON)と差を認めなかった。 3)自発運動量,心拍,体温をテレメータシステムにて72時間観察 投与後30分ではMID単独の他はCONより運動量が低下した。投与後120分時点の自発運動量はMID+PEN6とMID+PEN12の併用投与で自発運動量は低下した。72時間後の運動量は差を認めなかった。脈拍数は有意な差を認めなかった。体温は120分後,CONと比較してPEN6+PEN12で増加した。 4)GABA_A受容体複合体C1^-取り込みへの影響,培養海馬切片の神経細胞死における鎮静・鎮痛薬の影響を見極めることができなかった。 【総括】高週齢高血圧自然発症ラットの行動薬理学的観察では,鎮静・鎮痛剤の各有効量を同時投与した時には,運動協調性機能の抑制時間と自発発運動量の低下時間を相加的に延長させる新知見を得た。
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Research Products
(4 results)