2005 Fiscal Year Annual Research Report
三叉神経痛の原因解明と治療法の確立-新治療法ガンマナイフの効果-
Project/Area Number |
17592110
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Research Institution | Matsumoto Dental University |
Principal Investigator |
富田 美穂子 松本歯科大学, 歯学部, 助教授 (00366329)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
林 基弘 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (20256499)
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Keywords | ガンマナイフ / 三叉神経痛 / 突発性疼痛 / ガンマ線 |
Research Abstract |
三叉神経痛の治療法として用いられているガンマナイフの有効性と作用機序を明らかにするために臨床と基礎研究の二方向からアプローチを行った。 1.臨床的研究:三叉神経痛に罹患している患者7名に対して錐体骨上三叉神経切痕に4mm collimatorを用いてガンマ線90Gyを照射した。照射前に顔面の感覚(触覚(von frey法)・冷覚)と痛覚過敏を検査した結果、7名全員において患部の触覚閾値は高値を示した。冷覚検査では3名に患側の閾値の上昇が見られ、痛覚過敏は2名に現れていた。ガンマ線照射後1ヶ月では7名全員において三叉神経痛特有の突発性疼痛を起こす回数の減少が見られた。3ヶ月後では、6名において痛みの回数や痛みの程度の減少が見られたため、この時点からテグレトールの内服量を減らしていただいた。6ヶ月後では5名から通常の生活には支障がないという結果が得られた。しかし、3ヶ月後から6ヶ月後までの経過途中では時々痛みが出現し薬を元の量に戻した患者も見られた。今後も経過観察を行う予定である。 2.基礎的研究:片側頭部に4mm collimatorを用いて150Gyのガンマ線照射を行ったラットにおいて照射9ヶ月以降から歯牙の成長に影響を及ぼすことが明らかとなった(研究発表1)。この結果より、強度なガンマ線は血管の狭窄を誘発するのではないかと考えられる。そこで、感覚にはどの程度影響を及ぼすかを調べるために右側坐骨神経に100Gyのガンマ線を照射してラットの足の感覚を調べた。プランターテストを用いて熱による痛みの感受性を2週間ごとに6ヶ月間測定した結果、いずれの時期においても左右の足の感受性に有意な差は見られなかった。ガンマ線は正常な神経に照射しても痛みに対する感受性は変化しないことが明らかとなった。今後痛みの伝達系に関して調査を進める予定である。
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