2005 Fiscal Year Annual Research Report
顎関節滑膜由来細胞のクローン化と滑膜由来異種細胞間での相互作用の解析
Project/Area Number |
17592111
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
小倉 直美 日本大学, 松戸歯学部, 講師 (10152448)
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Keywords | 顎関節 / 顎関節由来滑膜細胞 / 株化 / テロメアーゼ遺伝子 |
Research Abstract |
滑膜組織にはマクロファージ様のA細胞と線維芽細胞様のB細胞が存在するといわれているが、これらの細胞の性質や相互作用については不明な点が多い。本研究では、顎関節滑膜には性質の異なる細胞が存在するのかを明らかにすることを目的として、滑膜由来細胞の不死化および株化を試みた。<方法>顎関節腔有視下洗浄療法の際に滑膜組織を採取し、out growth法にて培養ヒト顎関節滑膜細胞を得た。初代培養の細胞に、ヒトテロメアーゼ遺伝子を組み込んだレトロウイルスベクターを感染させ、薬物耐性により選択した。ヒトテロメアーゼ導入細胞を2 wellに1 cellとなるように希釈し、98 well plate 8枚に蒔いた。増殖が認められた細胞は10cm dishに巻き替え、ペニシリンリングにてコロニーを採取、継代培養を行った。<結果および考察>継代数10〜20代では、parent cellsとテロメアーゼ遺伝子導入細胞とで増殖能に差は認められなかった。継代数30代でparent cellsは増殖能が低下したが、テロメアーゼ遺伝子導入細胞では変化が認められなかった。また、限界希釈法による株化では、768 well中58 wellsに細胞増殖が認められたが、confluentになったのは12 wellであった。それぞれを10cm dishに蒔き培養を行ったところ、17個のコロニーが認められた。1コロニーを1株として継代培養を行ったところ、17株中75cm^2 cell culture flaskにまで増殖が可能であった細胞は3株であった。ヒトの細胞は細胞制御機構が複雑であり、動物の細胞に比べて株化が困難であるといわれている。今回、ヒト顎関節滑膜細胞にヒトテロメアーゼ遺伝子を導入することにより株化を試み、3株を得た。今後、GeneChip解析を行い、この株化細胞の性質の検討を行う予定である。
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