2006 Fiscal Year Annual Research Report
顎関節滑膜由来細胞のクローン化と滑膜由来異種細胞間での相互作用の解析
Project/Area Number |
17592111
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
小倉 直美 日本大学, 松戸歯学部, 講師 (10152448)
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Keywords | 顎関節 / 顎関節由来滑膜細胞 / Microarray / IL-1β / TNF-α |
Research Abstract |
顎関節内障や変形性関節症では顎関節滑液中にIL-1βやTNF-αが上昇しており、炎症の発症および進展への関与が示唆されている。しかし、顎関節腔内炎症における滑膜細胞の分子生物学的動態の詳細な解析は進んでいない。本研究では、顎関節滑膜細胞の培養系を用いて、IL-1βやTNF-α刺激による遺伝子発現変動をMicroarrayにて網羅的にモニターした。滑膜細胞は、3名の顎関節内障患者にインフォームド・コンセントを行った後、顎関節手術時に採取した滑膜よりoutgrowth法にて得た。滑膜細胞にIL-1β、TNF-αあるいはIL-1β+TNF-α刺激後totalRNAを抽出し、GeneChip HG Focus Array(約8,500遺伝子)にて遺伝子発現量を網羅的にモニターし、GeneSpringにて遺伝子発現解析を行った。8,793遺伝子のうち無刺激の系と比べてIL-1β刺激にて2倍以上変動したのは246遺伝子、TNF-α刺激にて変動したのは258遺伝子、IL-1β+TNF-α刺激にて変動したのは336遺伝子であった。また、IL-1β刺激とTNF-α刺激間で比較しところ、IL-1β刺激で2倍以上発現が高いのは24遺伝子、TNF-α刺激で2倍以上発現が高いのは16遺伝子あった。さらに、IL-1β+TNF-αの共刺激では、IL-1β刺激に比べてIL-1β+TNF-α刺激で2倍以上発現が変動したのは48遺伝子、TNF-α刺激と比べてIL-1β+TNF-α刺激で2倍以上発現が変動したのは71遺伝子であった。刺激による変動遺伝子群にはchemokine、IL-6始めとする炎症性cytokinesが多く認められた。以上の結果から、顎関節滑液中にIL-1βおよびTNF-αが上昇すると顎関節滑膜組織での炎症が亢進すると示唆された。
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Research Products
(1 results)