2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17592123
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
岩本 修 久留米大学, 医学部, 講師 (80247527)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
楠川 仁悟 久留米大学, 医学部, 教授 (30258412)
古賀 千尋 久留米大学, 医学部, 助教授 (80258417)
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Keywords | 癌 / ウイルス / 免疫学 |
Research Abstract |
平成17年度からの研究で主に下記のような結果を得た。 1)口腔扁平上皮癌(Oral SCC)102例におけるHSV-1抗原の発現について,抗ウサギポリクロナール抗体を使用して免疫組織化学的に検討したところ,約53%の陽性率を示した(HSV-1陽性群とし,対して陰性群と表現する)。また遺伝子レベル(RT-PCR method)においても,発現(330bp)を確認できた。 2)HSV-1陽性群と陰性群をレトロスペクティブに比較検討したところ,陽性群の頸部リンパ節転移率は陰性群より有意に低かった(P<0.01)。それに伴い,5年累積生存率は陽性群(95%vs83%)が高かった。 3)Oral SCC患者の術前の唾液から,HSV-1の分離培養を行ったが,分離陽性群,陰性群間でHSV-1抗原の発現に差はなかった。 4)中和抗体価や血清IgGは陽性群が有意に高い値を示した(P<0.01)。 5)CD8陽性のTリンパ球は陽性群の癌組織に高度浸潤する傾向を認めた。 以上の結果から,HSV-1が癌に発現して,その周囲免疫機能を高めることでリンパ節転移を抑制している可能性が考えられた。平成18年度はHSV-1の口腔癌での発現経路を動物実験で解明していく。 (本研究は第23回口腔腫瘍学会総会にて優秀ポスター賞を受賞した。) まず18年度はシリアンハムスターの三叉神経節にHSV-1が潜伏することを確認した(現在までシリアンハムスターを用いての潜伏感染実験はない),現在それらHSV-1潜伏感染ハムスターの頬嚢にDMBAを塗布して人工的に口腔癌形成を行っている,今後,潜伏感染したHSV-1が癌形成がトリガーとなって活性化が惹起され,癌に感染(発現)するのかを確認中である,免疫能の差や頸部リンパ節転移の差を含め本年度までには結果報告の予定.
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