2005 Fiscal Year Annual Research Report
矯正学的歯の移動時における骨改造現象と神経伝達物質との関連
Project/Area Number |
17592138
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
出口 徹 岡山大学, 医学部・歯学部付属病院, 講師 (30346457)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 照子 東北大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (00127250)
黒田 晋吾 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助手 (40332796)
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Keywords | 歯の移動 / 神経伝達物質 / 骨改造現象 / 三叉神経節 / ノックアウトマウス |
Research Abstract |
本研究は、歯の移動時における神経ペプチド(ガラニン)の歯根膜組織の改造現象および痛覚への役割を明らかにすることを目的としている。本年度は、中枢領域である三叉神経節における歯の移動時のガラニン陽性細胞の発現の分析を行った。SD系ラットの下顎臼歯を移動後、三叉神経節を採取し、ガラニンの免疫染色を行い、顕微鏡デジタルカメラにて組織像の撮影を行い、定量的にガラニン陽性神経節細胞の数および大きさの分析を行った。さらに、ガラニンとカルシトニン遺伝関連ペプチドとの二重免疫染色を行い、その共存率を分析した。その結果、歯の移動時に三叉神経節において、著しいガラニン陽性細胞の増加を認めた。また、数のみならず、ガラニンを含む三叉神経節細胞の大きさの変化も認めた。通常の状態では小型三叉神経節細胞のみに局在するガラニンは歯の移動後、大型細胞にもその発現を認め、中型から大型に主に局在するカルシトニン遺伝関連ペプチドとの共存率も増加する。よって、歯の移動時に歯根膜に出現するガラニンはその中枢側である三叉神経節細胞で産出、放出され、痛覚の伝達に重要な役割を担うことが明らかとなった。以上の結果をJournal of Dental Researchに投稿、受理され、本年度(2006年)において掲載予定である。また、歯根膜神経において、歯の移動時にガラニンが著しく増加することを過去に報告した。よって、今回培養破骨細胞において、ガラニンの作用を分析した結果、ガラニンは、破骨細胞に対し、抑制的に作用する事が明らかとなり、現在論文作成中である。また今後、ノックアウトマウスにおける歯の移動時のガラニンの発現を検証する予定である。
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