2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17592141
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
早崎 治明 九州大学, 大学病院, 講師 (60238095)
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Keywords | 咀嚼 / 食品 / 物性 |
Research Abstract |
"健康日本21"において「咀嚼機能の維持」は達成すべき目標のひとつとして掲げられているが、これは高齢者の咀嚼と全身の身体機能に高い相関があることが理由に他ならない。小児においても「まるのみ」による肥満の増加や視力低下が咀嚼筋の筋力低下と相関があると指摘されており、咀嚼機能の「維持増進」のみでなく「獲得」も忘れてならない課題である。長寿社会の到来をむかえ、咀嚼能力の低下や脳卒中などの後遺症として咀嚼・嚥下障害を有する高齢者も増加傾向にあり、その食には多くの企業が粘度調整補助食品の開発を行うほど注目が集まっている。本研究では正常な咀嚼機能の獲得や回復を考え、食品や補助具を用いて治療やリハビリテーションを行う上で必要なことは、食品毎にどのような運動(筋電図を含む)が行われ、どのような負荷(effort)が必要かを明確にすることである。そこで、実際の咀嚼運動時の下顎の三次元的な運動を計測するとともに、筋電図、咬合力計を用いその積分値などから、食品の種類と量(大きさ)における負荷を求めることにより、食品の物性を定義することにより、その結果から咀嚼機能の獲得、維持増進に資することを目的としている。 本年度は、1)下顎運動解析システムの検証、2)食品別の咬合力測定、3)咀嚼筋筋電図計測システムと下顎運動解析システムの統合、4)IDL解析(Interactive Data LanguageによるData Analysis Data Visualization Application Development)による本研究において使用可能なシステムの開発に力を注いだ。基礎的なデータ収集のため、成人女性を被験者とし、また形状や特性が変化しないガムを被験食品とし上記2)および3)、4)について計測を行い、現在解析を進めているところである。
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