2006 Fiscal Year Annual Research Report
抗菌タンパクβディフェンシン遺伝子導入によるう蝕予防の実験的研究
Project/Area Number |
17592146
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Research Institution | Health Sciences University of Hokkaido |
Principal Investigator |
五十嵐 清治 北海道医療大学, 歯学部, 教授 (20001943)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安彦 善裕 北海道医療大学, 個体差医療科学センター, 教授 (90260819)
齊藤 正人 北海道医療大学, 個体差医療科学センター, 講師 (50337036)
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Keywords | βディフェンシン / 抗菌タンパク / マウス唾液腺 / アデノウィルス |
Research Abstract |
本年度の研究進行状況としては、1)βディフェンシン3-アデノウィルスプラスミドの作製およびβディフェンシン3-アデノウィルスの精製・抽出および、2)ラット唾液腺にβディフェンシン3-アデノウィルスを感染するための前実験として、マウス唾液腺におけるβディフェンシンの発現確認を行った。 1)において、Takara社のアデノウィルス発現系ベクターを用いてβディフェンシン3(BD3)-アデノウィルスプラスミドを作製し、BD3-アデノウィルスの精製・抽出を行った。現在は唾液腺由来細胞HSYに感染実験を行っており、感染に伴う細胞特性について検索中である 2)では、マウス唾液腺がβディフェンシン(BD)を発現しているかどうか検索するため、経時的に自己免疫性唾液腺炎を自然発症することからシェーグレン症候群のモデルとして報告されているMRL/lprマウスの顎下腺におけるBDの発現変化を検索した。方法として4、8、10、12、14および16週齢の顎下腺を摘出し、組織切片を作製。切片はH.E染色ならびに抗hBD-2抗体、抗hBD-3抗体を用いて免疫染色を行った。またそれぞれの組織からtotal RNAを抽出しcDNAを作製した後、TaqMan real-time RT-PCRを行った。結結果として、rea1-time RT-PCRではBD-1の発現には変化がみられなかったが、BD-2は16週齢で4週と8週より有意に発現が上昇しており、mBD-3は14週齢での発現が最も強くなっていた。免疫染色では、hBD-2は陽性反応がみられなかったものの、hBD-3は導管上皮での局在を認め、リンパ球浸潤の強いところでは、消失傾向にあった。以上のことから、BD-2と-3は唾液腺炎で唾液腺導管が破壊される前まで、導管上皮の感染防御機構に関与していることが示唆された。2)のデーターは学術雑誌に投稿し受理されている。
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Research Products
(2 results)