2007 Fiscal Year Annual Research Report
抗菌タンパクβディフェンシン遺伝子導入によるう蝕予防の実験的研究
Project/Area Number |
17592146
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Research Institution | Health Sciences University of Hokkaido |
Principal Investigator |
五十嵐 清治 Health Sciences University of Hokkaido, 歯学部, 教授 (20001943)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安彦 善裕 北海道医療大学, 個体差医療科学センター, 教授 (90260819)
斉藤 正人 北海道医療大学, 個体差医療科学センター, 講師 (50337036)
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Keywords | βディフェンシン / 抗菌タンパク / マウス唾液腺 / アデノウイルス / siRNA |
Research Abstract |
本年度の研究進行状況としては、1)βディフェンシン3-アデノウィルスプラスミドの作製およびβディフェンシン3-アデノウィルスの精製・抽出を昨年度より引き続き行い、2)ラット唾液腺にβディフェンシン3-アデノウィルスを感染するための前実験として、マウス唾液腺におけるβディフェンシンの発現確認も昨年度より引き続き行った。また3)培養細胞におけるβディフェンシンの特性を検索するため、βディフェンシン1、2および3のsiRNAを角化細胞HaCaTに導入し、βディフェンシン発現減弱細胞を作製、細胞変化を確認した。 1)において、Takara社のアデノウィルス発現系ベクターを用いてβディフェンシン3(BD3)-アデノウィルスプラスミドを作製し、BD3-アデノウィルスの精製・抽出を行っている。βディフェンシンは抗菌作用ならびに抗ウィルス作用があるためアデノウィルスを用いた発現系はなかなか困難である。 2)では、マウス唾液腺がβディフェンシン(BD)を発現しているかどうか検索するため、経時的に自己免疫性唾液腺炎を自然発症することからシェーグレン症候群のモデルとして報告されているMRL/1prマウスの顎下腺におけるBDの発現変化を検索した。2)のデーターは学術雑誌に掲載された。 3)では、in vitroでのβディフェンシンの特性を検索するため、βディフェンシンが発現している角化細胞HaCaTにβディフェンシン1〜3のsiRNAを導入し、βディフェンシン発現減弱細胞を作製した。特にβディフェンシン1および3の発現減弱細胞で、細胞の増殖が認められ、細胞分化マーカーの発現低下が確認された。βディフェンシンは培養角化細胞において細胞増殖ならびに細胞分化に密接に関与していることが示唆された。3)のデーターは学術雑誌に投稿し受理されている。
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Research Products
(4 results)