2008 Fiscal Year Annual Research Report
抗菌タンパクβディフェンシン遺伝子導入によるう蝕予防の実験的研究
Project/Area Number |
17592146
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Research Institution | Health Sciences University of Hokkaido |
Principal Investigator |
五十嵐 清治 Health Sciences University of Hokkaido, 歯学部, 教授 (20001943)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安彦 善裕 北海道医療大学, 個体差医療科学センター, 教授 (90260819)
齊藤 正人 北海道医療大学, 個体差医療科学センター, 講師 (50337036)
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Keywords | βディフェンシン / 抗菌ペプチド / マウス唾液腺 / アデノウィルス / う蝕 / 培養角化細胞 / 歯肉溝滲出液 |
Research Abstract |
本年度実施した研究内容としては、1)βディフェンシン3アデノウィルスの精製・抽出2)マウス唾液腺におけるβディフェンシンの発現確認、3)培養角化細胞におけるβディフェンシン強発現細胞および発現減弱細胞の作製・特性解析を昨年に引き続き行い、さらに4)では、ヒト歯肉溝滲出液におけるディフェンシン(αディフェンシン)の発現解析を実施した。 結果として、1)では、コントロールのCAT遺伝子を含むアデノウィルスプラスミドは作製できたが、βディフェンシン3を含むウィルスでは、ディフェンシンの抗菌性および抗ウィルス性が作用し、使用できるウィルスプラスミドの精製・抽出はできなかった。2)では、週齢に伴い自然唾液腺炎が発症するマウスにおいて、炎症に伴いβディフェンシン2および3mRNAの発現上昇が認められた。3)では、βディフェンシン強発現細胞および発現減弱細胞を作製することができ、βディフェンシン強発現では細胞分化度が上昇、発現減弱では分化度が低下することが確認できた。4)では、ヒト歯肉溝浸出液においてαディフェンシンの発現を確認し、う蝕や歯周病と関連していることを明らかにした。2)および3)のデータは学術論文に発表済みであり、3)は学術論文に現在投稿中である。本研究内容により、口腔由来の抗菌ペプチド・ディフェンシンはう蝕等に対する抗菌作用のみならず細胞の分化増殖に密接に関与しており、口腔のホメオスターシスを維持する上で重要な役割を持つことが示唆された。
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Research Products
(5 results)