2005 Fiscal Year Annual Research Report
部位特異的な口腔環境診断法の確立-無線によるpH測定-
Project/Area Number |
17592148
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Research Institution | Meikai University |
Principal Investigator |
渡部 茂 明海大学, 歯学部, 教授 (60113049)
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Keywords | 口腔環境 / 唾液 / pH / 齲蝕 / 予防 |
Research Abstract |
今年度は(1)無線pH計の開発と(2)そのpH計を用いて試験的に口腔内pHの計測を行った。 (1)無線pHの開発:センサーモジュールとネットワークモジュールで構成される、センサーネットワークモジュール用微弱無線モジュールを用いて、無線モジュールとpHセンサーの両方を組み込んだ装置を口腔内の歯に装着し、唾液pHの継時的変化の測定データをネットワークモジュールに無線通信した。測定データを受信したネットワークモジュールからは、USBケーブルでパソコンに測定データを転送させた。センサーモジュールとネットワークモジュールの間は303.825MHz帯の微弱無線で通信し、通信距離は標準で約15mと電波法の規制範囲に収めている。開発したセンサーモジュールは、CPUなどの実装したベースボードとRF(無線)ボードのプリント基板2枚を重ねたもので、アーキテクスチャーをシンプルにすることによって寸法を24mm x 24.5mmと超小型化した。起動時間を短くするためOSは使わず、そのために消費電力を大幅に下げることに成功し、ボタン型の小型リチウムイオン2次電池(CR2032)1個でセンサーモジュールなどの消費電力をまかなえる。 (2)口腔内pH測定:既知のpH溶液でキャリブレイション後、口腔内3箇所で同時にpHをモニターした。安静時、およびレモンジュースで口腔内洗口後のpHを測定し、有線のpH計にて測定した結果と比較したところ、ほぼ同様な変化を示し、無線pH計の感度、正確さを確認することが出来た。硫酸アトロピン服用後、唾液分泌量が約50%に低下した時点で同様の実験を行うと、pHの回復は正常時に比べ著しく遅延した。次年度においては、症例数を増して検討を行う予定である。
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