2006 Fiscal Year Annual Research Report
部位特異的な口腔環境診断法の確立-無線によるpH測定-
Project/Area Number |
17592148
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Research Institution | Meikai University |
Principal Investigator |
渡部 茂 明海大学, 歯学部, 教授 (60113049)
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Keywords | 口腔環境 / 唾液 / pH / 齲蝕 / 再石灰化 / 予防 / ガム咀嚼 |
Research Abstract |
(1)今年度はpH計の開発に関しては、以前に立ち上げた、センサーモジュールとネットワークモジュールで構成される、センサーモジュール用微弱無線モジュールを用いた装置を改良するまでにはいたらなかった。この無線モジュールとpHセンサーの両方を組み込んだ装置は大きさがまだおおきいこと(24mmx24.5mm)と、電源が少なくなると、ノイズが大きくなるなどの欠点があった。ボタン型の小型リチウムイオン2次電池1個でセンサーモジュール、送信モジュールの消費電力をまかなうために、どうしても容量に限界があった。今後はこの点の改善が必要と考えられた。 (2)口腔内一箇所にpHセンサーを取り付けて、ガム咀嚼中のpHをモニターした結果では、ガム咀嚼後、約2分後にpHは最大(約8.2)になり、約5分後にはpH7以下に下がり、徐々に下降することが示された。分泌量の影響はガム咀嚼中は効果があることが示された。 (3)フッ素洗口後のフッ素の口腔内停滞時間は睡眠時は昼間覚醒時にフッ素洗口を行った場合の約6.5倍になることが示された。これは唾液のクリアランスの影響であることは明らかである。このときのpHの変化については、有線のpH計にてモニターしたところ、pH5.9まで低下する被験者もいたが、今後無線によるpH形での測定が期待される。 (4)口腔内微生物の部位特異性について調査した結果、下顎前歯部には唾液の影響で微生物の検知率が最も少なかった。上顎前歯部唇面は一部の微生物の検知率が高かった。これらのことから微生物の検知率にも部位特異性がみられ、pHの変化にも影響が及ぶことが考えられた。
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Research Products
(3 results)